2015年8月27日 (木)

第32回みんくるカフェ「ゲームを通して生活習慣を見直すきっかけを作ろう!」

こんにちは! みんくるプロデューススタッフのあべべです。

さる5月10日(日)に第32回みんくるカフェ「ゲームを通して生活習慣を見直すをきっかけを作ろう!」を開催しました。
その様子についてお伝えします!

今回のカフェは、NPO法人市民科学研究室(以下、市民研)とのコラボ企画です。
市民研が開発した生活習慣病対策ゲーム「ネゴバト(ネゴシエート・バトル)」を体験して、そこでの気づきや発見をワールドカフェ形式で共有しました。

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市民研は、「市民にとってよりよい科学技術とは」を考えるために、講座や勉強会を運営し、市民が主体となった調査研究や支援事業を行っているNPO法人です。
市民科学研究室:http://www.csij.org/
ネゴシエート・バトル:生活習慣病対策ゲーム(ネゴバト) http://negobato.hotcom-web.com/wordpress/

参加者は15名で、最年少は中学生と幅広い年代の方が集まりました!
市民研、みんくるプロデュースのスタッフを合わせると、総勢22名でとても賑やかなカフェとなりました。

clip「ネゴバト」は、健康的な生活したくても誘惑に負けてしまう自分自身の習慣の真相が見えてくる対面型交渉 ゲームです。
誘惑者側と人間役に分かれてゲームを行います。
3対3(一部3対2)で4テーブルに分かれて行いました。
各テーブルには生活習慣に関するジレンマが書かれたカードが置かれています。
誘惑者は、人間役の人を不健康になるように誘惑します。
人間役は誘惑に乗るのか、乗らないのか、他の人間役の人の意見も聞きながら、自分の選択を考えます。

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ジレンマカードは4つのテーマ別に色分けされています。3対3の交渉を1セット15分とし、チームメンバーをかえながら、全ての色を体験できるよう4セット行いました。

初対面の人同士のゲームでしたが、生活習慣という誰にでも身近なテーマだったためか、どのチームも大変盛り上がりました。

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休憩をはさんで、ワールドカフェ形式で対話を行いました。
まず、自分が誘惑に乗りやすかったカードの色のテーブルに分かれて、その色がどんなカテゴリーなのか、何を表しているのかを考えました。
次にその色ごとに、なぜ誘惑されやすかったのかということと、誘惑されないための対策について対話しました。

各テーブルごとにどんな対話になったのか簡単に紹介します。

spade青色カードのテーブル
*何を表しているのか?
上司、家族、飲み会、家族とのお出かけなどのワードから、人付き合いがテーマではないかという話になりました。
✴︎なぜその誘惑に弱いのか?
・上手に上司や家族からの誘いを断ることができない。
・自分が疲れていても、本音では睡眠をとりたいと思っていても、断ったら…という不安があり、断ることができない。
・家族とは関係性ができているから、断ることができるが、仕事は相手を優先することなので、断ることができない。
・組織における自分の存在意義の不安が根底にある

※誘惑への対策は?
・上手な断り方を身につける。直接だったり、メールだったり、手段もいろいろ。伝え方も工夫してみる。
・残された時間が今日一日だと思って行動する。自然と自分気持ちに正直になることができる。また相手への態度や言葉かけも変わってくるのではないか。

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diamond黄色カードのテーブル
*何を表しているか?
・キーワードは、予防・管理、リスクに備える、検診、健康増進、面倒くさいことなどがあがりました。
・その他にも、具体的にカードを見ながら、ないがしろにしてしまうものだったり、今すぐでなくてもよい「まあ、いっかな」と思えるようなもの、という話になりました。

*なぜその誘惑に弱いのか?
・わからないものだから別に調べなくてもいい
・結論が出るのが怖いかもしれない
・自分には自分の健康というバロメーターがある。自分は健康という気持ちなのに、病気というレッテルを張られるかもしれない。

*誘惑への対策は?
-自分や周囲に何らかの変化があるときに意識する
  ・周囲に病気になった人がいると危機感が出てきて、心配になっていく
  ・自分自身に不調を感じたとき
-社会のシステムとして
  ・国とか県とかからの補助があるといきやすい
  ・歯科検診などは検診のお知らせが来たり、次回半年後とかに予約を入れてしまったりするといく
  ・面倒くさくても約束があることが大事なのかもねという話になりました。
  ・ホームドクターとかかかりつけ医とかと信頼関係があることも大事
  ・年ごとに比較をしていける環境も大事
  ・健康に関して気にしすぎる人、全く気にしないひとなど同じ症状でも個人差がある。ネゴバトのような場を設けることで、独りよがりにならないための環境を作ることが大切!

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heart赤色カードのテーブル
✴︎何を表しているのか?
・我慢しづらいもの、自分が好きなもので抑えられないもの。つまり、趣味や嗜好品。

✴︎なぜその誘惑に弱いのか?
・やはり毎日つまんでいるものは辞められない。おせんべいを毎日つまんでいる。塩分高いことは知っているが、辞められない。
・お酒を辞めることができない。楽しいことだから、尊重しないといけない部分もある。
・お酒は話がはづむ。お酒を選んだり、美味しいお酒を探すことが楽しい。
・心がこっている。何かをつまむとリラックスできる?ガリガリ君を食べることが心のこりをほぐす。心のこりをほぐす物は大切にしなければならない。健康面にとってマイナス面があるからといって、プラスを切ることはできない。

✴︎誘惑への対策は?
・同じ食べるでも、時間や量を工夫する。時間や量を工夫することである程度、健康面のマイナスを減らすことができるのではないか?

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club緑色カードのテーブル
*何を表しているのか?
カードに使われているワード「労働、残業、上司、お客様など」から【仕事】をフレーズとする。

*なぜその誘惑に弱いのか?
・仕事には「やりがい」「付き合い」のふたつの側面がある。
・やりがいを感じる時は、身体的にはNGでも気持ち的にはストレスは少ない。一方、付き合いと感じる時は、身体的にも気持ち的にもストレスは大きい。
・新人の頃は体力もあり気持ちもフレッシュなので「やりたい!」という想いから無理をしてしまう。中堅くらいの立場になると「ねばならない」という気持ちが強くなってくるので、自分で意識をして身体と心のバランスを取るように気をつける必要がある。
・日本には仕事を美化する文化、長時間労働を厭わない文化がある。
・仕事をする上でも生きる上でも「身体・心」がベースになる。とても大切なコトなのにそれについての教育がない。
・「身体・心」は自分のコトだけど、仕事の場合は周りとの関係性が大きく影響する。「他者の評価」が気になる。

*誘惑への対策は?
-個人レベルでの対策
  ・ペットや恋人、家族のためにと理由をつけて仕事を切り上げる。
-会社、法律レベルでの対策
  ・規則として長時間労働を禁止する。
  ・ワークシェアを導入する。
  ・新人、中堅、出産、子育てなどひとりひとりのライフスタイルにあった仕事の仕方がある。
  ・社会全体が多様な働き方、生き方を許容する。


分かってはいるけど、やめられない・・・・といった自分の生活習慣のくせの背景にあるものに近づくことができた時間でした。

対話を通して、普段気づくことができない自分に気づくことができ、お互いにアイディアを出し合うことで、ちょっとやってみようかなという気持ちになることができました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

(あべちゃん)


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アンケートから参加者の感想をいくつかご紹介します。
clip自分のライフスタイルについて(医師や栄養士などから指導を受けるのではなく)対等な関係で話合うことは初対面同士でも可能だということに気づきました。
clipいろんな誘惑のカテゴリがあって、それぞれ傾向が違う面白さにきづきました。共感が大切だということがより実感でき、今後も生かしていきたいと思います。
clip特に医師を代表とする医療者と市民の間に存在する社会的心理的勾配は、場の設定の仕方で効果的に変化させることが可能であることを学びました。
clip生活習慣病というのは「習慣」や「性格」に左右されるものであり、一律な方法で「予防しましょう」とは言えないものであることを実感しました。
clipやめたいけれどもやめられないは根深いことを再認識しました。生活習慣病だけではなく習慣を変えるためにできるお手伝いについては今後も考え続けたいと思います。

2015年1月14日 (水)

第31回みんくるカフェ「ナースのお仕事〜看護師が伝えたいこと・看護師に求められること」

こんにちは!みんくるスタッフのめぐたんです。

さる11月29日(土)に第31回みんくるカフェ「ナースのお仕事~看護師が伝えたいこと、看護師に求められること~」を開催しました。
場所は、エンパブリック根津スタジオにて開催いたしました。

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今回は、みんくるスタッフの看護師、ひろみんとめぐたんの企画でした。
看護師自身はどんな看護師を目指していて、患者はどんな看護師を求めているのかについて、医療者だけではなく患者さんも含めて理想の看護師について対話したいと企画したものです。
実際の看護師はどんなことをしているのか、実際のある看護場面について話をした後、参加者と対話をしました。
参加者は医療福祉関係者(看護師、医師、学生)、医療従事者以外の方を含め計18名でした。


まず、ナイチンゲールの言葉「健全な生活環境を整え、日常生活が送れるよう配慮することが看護なのである」を紹介し、「看護」について考えました。
看護師は、看護技術を用いて患者に看護ケアを行います。
看護者と対象者の間の人と人との関係性の中で実践されているのが看護ケアであり、看護は、看護の技術・知識はもちろん、人間性が大事なのではないか!という話をしました。

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続いて、ひろみんとめぐたんが、実際の現場の看護について話しました。

ひろみんの話は、看護師の勤務体制、患者と看護師のある1日について、看護師のジレンマ、病棟看護師が行っていることなどについてでした。
ひろみんが患者とのコミュニケーションで心がけていること、治療以外にも医療者の関わり方が患者の元気につながると考えていること、また、看護師も患者さんから勇気や元気をもらっており感謝の毎日であること、などが語られました。


次にめぐたんの話です。
検査部門の外来看護師として働いているめぐたんが、効率優先で患者の気持ちがないがしろにされているのではないかと感じた、ある日の出来事の話を紹介しました。
検査によって患者の感じた苦痛や気持ちを考慮して、どういう看護が必要と考えケアするのか。そしてさまざまな看護観をもつ他の看護師とうまく働くためにはどうすればよいのか。
業務優先と看護優先のはざまで感じる、そんな葛藤が語られました。

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後半は「縁パブ」形式で参加者全員が対話を行い、看護についてさまざまな思いが語られました。
「縁パブ」とは、エンパブリックが開発した、少人数でもテーマを発展させながら対話を行うことができるカフェ型トークのことです。

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オープニングクエスチョンは「理想の看護師とは?」。
患者の安全・安楽、不安軽減を大事にしたケアをしたいけど、それだけでは一方的視点ではないか?
患者さんの求める看護とはどんなものか?
この問いに対する質問を考えるところから対話が始まり、グループごとに「コミュニケーションが難しい人への対応について看護師に求められることは?」や「看護の専門性を共有するためには?」などの問いに発展させて、対話が続きました。

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以下、グループごとの対話の内容を一部紹介します。

pencil患者の言えない思いを察したり、思いを聴いて必要なアレンジをするのが理想の看護師なのでは。
pencil看護師にはできない看護ってなんだろう?
pencil看護師しかいない「看護所(仮)」というものがあったらどうだろう?
pencilこれが看護と定義できない、看護って幅広い。
pencil演出家でありスペシャリスト、「患者の思い」を尊重する看護師、医療全体を見渡せる看護師が必要なのでは。
pencil理想の看護師を育むには、各医療者が自分の役割を明確にし、失敗しながらも現場の状況を理解できるように努力する。
pencil看護師の育成には、継続すること、ロールモデルが必要。看護師に求められるのは「現場の医療の演出家」ではないか。
pencil医師や患者に看護師の仕事がまだ理解されていない。看護師の視点を共有することが医療の質を高めることにもつながるのではないか。

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pencil看護師に優しく接してほしいが、日本の医療の現状として難しい部分がある。
pencil認知症や精神障害の人への対応について、看護師は患者が「大切にされた」と感じるように接したり、「急かさないこと」を大事にしている。
pencil看護職の語る「看護」と、看護職でない人の語る「看護」に大きなギャップがある。
pencil患者になると看護師から言われたことを素直に受け入れることは難しい人も多い。
pencil緩和ケアでは、患者・家族・医療職が、「看護」の専門性を共有できていることが多い。それは、ゴールを共有できているからではないか。
pencil患者・家族・看護師でゴール(目標)を共有することが、看護の専門性を共有することにもつながるのではないか。

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以上のような形で対話が進みました。

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終了後のアンケートより、参加者の方々からの貴重な感想を紹介いたします。

clover患者さんの思いにもっと興味を持とうと思う
clover臨床で患者さんや家族がどのように考えているのかを知るきっかけになった
clover患者と医療者間の認識の違いを感じた。それを埋めることの重要性を感じた
clover看護師のコミュニケーションスキルの重要性、看護師の専門性について考えた
clover看護師には対話力、調整力が重要必要であることを改めて感じた
clover看護師は何ができるとは言えないところが強み、でもスペシャリスト
clover看護師への視線がずっと優しくなるような気がする


看護について考えさせていただき、患者・医療従事者お互いの立場を知ることから始まるのかなと改めて実感いたしました。
今後、さらに異業種の方の参加のもと、今回のテーマについて話し合いができたらと思いました。
看護は奥深く、まだまだ大きく展開されるのだろうと思うとワクワクしています!!


開催時には晴れ間がやっとみえてきましたが、午前中は雨で足元が悪い中お集まりいただきありがとうございました。
「看護」について対話し、同じ時間を過ごせたこと、この出会いを幸せに思います。
参加者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
また、看護をテーマに視点を変えて対話できたら&つながっていけたらと考えています。
今後ともよろしくお願いいたします。

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(文責:めぐたん)


2014年10月 5日 (日)

みんくるワークショップ〈「農」を通じて身近な「食」を考える!〉

10月05日(日)、みんくるワークショップ〈「農」を通じて身近な「食」を考える!〉を開催しました。

今回はいつものみんくるカフェを飛び出して「体験」を中心としたワークショップを開催しようと、ヨシオカ農園での農業体験をする予定だったのですが、残念なことに雨で農業体験はできませんでした。
しかし、ヨシオカ農園にて、参加者は5人+スタッフ3人と吉岡さんを入れて9人(+お子さん2人)というかたちで、対話のみ開催することができました。

ヨシオカ農園は、千葉県柏市鷲野谷にあり、吉岡龍一さんという一人の若者が経営されています。吉岡さんは、親が農家でない新規就農という形で農業の世界に飛び込み、地域の農業を盛り上げようとさまざまな取組みをされています。
ヨシオカ農園ホームページ:http://www.theyoshiokafarm.com/

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apple吉岡さんからの話

・大学4年の時に自然環境に興味があり、NPO活動として子供たちと米作りをした。どうすれば地域が豊かになる材料を作れるか考え、せんべいにして売り出したことがあった。誰かの実現したいことを地元でやっていきたい、それは農業だと思ったのが農業を始めるきっかけとなった。
・農業は難しい。高齢化に伴い、昔は農家でも今は農業のみという人がいて、後継ぎする人の数も減少している。農業で稼ぐのは難しい理由に、都市部から近い農村であり特徴がないことがあげられる。
・シェアオフィスを持ち、カフェの経営もしている。
cafeYOL Cafe Frosch(吉岡さん経営のカフェ)→http://edgehaus.jp/yol-cafe-frosch

mobaq地域活性の分野でうまくいっている地域があるか。
paper外から入ってくる人に手厚いところがある。2-3年間、無料で米をあげるとか。
体験農園として、農園を市民に売っているところがある。
農業の組合を作った。体験農園で何を教えるか決める。小さい畑から大きい畑が作れるように教える。農家が住民に週に何回か農業について教える機会を作る。農家の人は全員がすべての野菜を作れるわけではないため、組合いメンバーがほかの野菜の作り方を教えることもあり、おもしろい。
といった話がありました。

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clover対話
対話のテーマは「食べること、つくることって何だろう?」 とし、2つのグループに分かれて対話しました。 

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• ふだん子供たちは食べるだけで、作り手の顔が見えていない
• 学校でも農作業体験など、作り手が見えるような教育をやってほしい
• 生活の中で作り手(素材、つくり方)が見えるような工夫を
• 区民農園などで栽培すると、教えたがりの高齢者の方と交流が深まる
• 単純に作ることが楽しいし、いろんな人と交流できるのも楽しい
• 農園が世代間交流など、場の提供(=コミュニティづくり)になっている
• 農機具の貸し借りなどを通じて、自然に人とのつながりができるのも魅力
• アスパラガスや芋など実際に畑でどのように育っているのか、見たり体験しないと分からない
• 旬のものをいただくのは栄養素的なものだけではなく、こころの健康にも良い
• 旬のものを食べる意義を子供達にも正しく伝えて行けたら
• 楽しく食べる、食卓を囲むことが、家族団らんや人とのつながりを生む
• 食べることは、コミュニティを通じて、人を集めたりつなげたりする力がある

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【食べる】
• 楽しく食べたい。その要素として「誰と食べるか」が大きな要素になる。また旬で美味しい野菜(しかも朝取れだったらなおよし)を食べられると健康で嬉しい。
• しかし食事はしなければいけないもので、だからこそ楽しくしたいとも思うが、負の要素もある。
• 一人暮らしだと誰かと食べることが難しかったり、きちんと3食食べること自体が難しかったり、お金がかかる。
• なぜそうなったのか?
• 「いつでもどこでも食事が取れる」ようになったから。
• 昔であれば、食べることが生きることだったが、ローテーションがなくなり、便利でできることややることが多くなって都合が合わなくなった。食事より優先するものができ、食事と別のことの優先順位が変わった。
• 食事をいただきましたと思う意識を自分できちんと作らないといけなくなった。自分の中でのルールが必要になった。
• また誰かと食べることも週一回は家族と食べる、夜ご飯は家族と食べるなど、無理なく続けるための「ルール作り」が重要な時代になった。

【作る】
• 作ることで旬も分かるし、土がついてるものも馴染みが出たりする。週一回などで作ってみたいが、すぐ枯らしてしまったり、時間がかかる。
• 野菜の育て方には時間のかけ方のコツがあり、毎日10-30分程度コツコツと水をやったり、草をむしったりしないといけない。
• それには仕事をしながらでは難しいため、管理者がいるとよいが、お金がかかる。練馬方式など区民農園などがあるが、抽選が当たらない。
• 「農業は生業としては成り立たない」との吉岡さんの意見があり、うまく市民ができるようになる仕組みが必要。農園付きなどのコミュニティマンションがもっと増えるとよい。
• 六本木だと高くてもやり手がいるが、離れると誰も来ない。そこにはアクセスと広さなどの条件の兼ね合いがあり、「コストパフォーマンス」である。
• しかし時代が変われば価値観も変わる。アクセスにおける時間的労力的金銭的コストが下がり、地域の自然やコミュニティの暖かさ、育てる喜びなどが認識されるようになれば、個人個人が少しずつ野菜を育てるようになるかもしれない

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clover最後に、参加者の感想として
・新しい視点ができた、楽しかった、
・畑をやりたいと思っていたので実際に働いている人と話せてよかった、
・話すことで自分にないことを話すことは楽しい時間だった、
・自分自身でできることがあるのではないかと次のステップにいけそうと思った、
・古民家は憧れがあり何かやりたいと思っていた、
・食べることが日常にあることに気を付けることが大切
という話がありました。

対話を通じて、日常における食生活や健康について考えることができました。
今度は晴れた日に、ぜひ体験型のワークショップ開催したいですね。
吉岡さん、参加者の皆様、どうもありがとうございました。

(ひろみん)

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2014年7月21日 (月)

公開シンポジウム「健康を核に地域づくり戦略を描こう〜経済中心の活性化から暮らしの活性化へ」

さる7月21日(月・祝)に公開シンポジウム「健康を核に地域づくり戦略を描こう〜経済中心の活性化から暮らしの活性化へ」を開催しました!
エンパブリック×みんくるプロデュースによる企画で、参加者は約50名の方々でした。

oneまずは、企画者のエンパブリック代表広石より、今回の趣旨説明です。
カナダ・バンクーバー市の「ヘルシー・シティ」の取り組みに刺激を受け、今回のテーマを考えたとのこと。
「誰にとっても『ヘルシー』な街づくりを」をモットーに、市民自身にバンクーバー市の健康課題を考えてもらう&アクションに参加してもらう試みで、SNS等も駆使しています。
https://www.youtube.com/watch?v=0kcQ4JQyqek

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two次にゲストスピーカーの中山和弘さん(聖路加国際大学看護学部教授)の「地域をあげてのヘルスプロモーション」というプレゼンです。

pencil健康は個人か社会か~「健康の自己責任論」
一つの社会の中でも、より社会的なvulnerabilityを持つ人たちほど健康課題を抱えるという研究結果が報告されている。「健康に気をつけてなかったから悪いんだ」と弱者を非難するのではなく、医療アクセスの障壁など「特定集団が構造的に健康を害されていないか」という視点が必要となってきている。
clip第1回世界ヘルスプロモーション会議(1986)「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」の必要性が認識された。
clip健康の社会的決定要因(WHO欧州2003):社会格差、ストレス、幼少期、社会的排除、労働、失業、ソーシャルサポート、薬物依存、食品、交通
⇒近代化にともない個人が自由化/孤立化しているなか、諸研究により「やはり他者からの支えがある人ほど健康だよね」という認識が定着してきている。
(研究例:社会的に孤立している人ほど健康寿命が短い、肥満な人の友人関係には肥満な人が多い、平均寿命と他者への信頼の正比例)
⇒「情報的・情緒的・手段的・評価的サポート」(資源、SOC)の有無・程度がストレスや健康に有意な影響をもたらしている。
cloverSOC(Sense of Coherence)「大丈夫、何とかなる」と思えている人ほどストレス耐性が強いという研究発表。そこには「自分に自信がある」と「他者を信頼している」という両要素がある。

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pencilヘルスリテラシー(情報に基づいて健康を決める力)と健康格差
⇒情報格差が健康格差になっている。多様なヘルスリテラシーを持つ人たちがつながることが重要。
⇒全員が高いヘルスリテラシーを持つことは難しくても、高リテラシーの人とつながることで幅広い人々が自身の健康を高められる。

pencil広がるヘルスプロモーションの取り組み
*Social Ecological Model:アプローチの対象を「社会」「コミュニティ」「組織(企業、学校等)」「グループ(家族、友人関係等)」「個人」と幅広く捉えて、重層的な健康政策を考えるヘルスプロモーションの一モデル
〈長野県松本市の事例〉
「地域」「経済」「環境」「生活」「教育文化」それぞれの分野で健康向上の取り組みをおこなっている(健康増進課が大変らしい・・・)
〈山梨県甲府市の事例〉
2009年より、地域の人たちが集える居場所を駅前商店街に開設。
高齢者と子供の交流事業(ソーシャルキャピタルの向上)
〈富山県高岡市の事例〉
2008年より、エコな街づくりや、DV相談支援など女性を対象・主体とした取り組み。

pencil行政と団体による連携のカタチ
①団体と行政の「協働」、②行政から団体への「助成」、③行政から団体への「委託」
〈重要ポイント〉
①協働の形~別々の方がよい場合もあるため、協力関係の必要性を見極める。
②誰と何をどこまで行うかを明確に~目的達成のために一時的に組むのがコラボレーション、長期的ならパートナーシップ。
③誰にとってもわかるゴール設定(意思決定プロセスの共有)
④癒着を排する。


three最後に、みんくるプロデュース代表の孫より「カフェ型ヘルスコミュニケーションは地域づくりにどう役立てるか?」というプレゼンがありました。

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pencilみんくる発足のきっかけ~「患者は病院で本音を言ってないな」という素朴な実感
→病棟で待っているだけでは、本当に何を考えているかを知ることは出来ない。医療従事者こそ、街に出て行く必要があるんじゃないかな、と思った。
→病院と社会の間にある「カフェ」を作りたい~「みんくるカフェ」
→社会問題を解決しようといった意識があった訳ではなく、患者の思っていることを知りたいという想いで、こじんまりと始めた。
clipみんくる参加者に起きている学習
→正しい情報、当事者のお話、多様な価値観と触れることで、「今までの視点と違う考え方も出来るんじゃないか」といった変容的学習が誘発されている。
  
pencilみんくるの活動の広がり
cloverファシリテーター育成講座
→各地域でファシリテーターが増えることで、対話の場づくり(仲間呼びかけから、実際の対話でのファシリテーションまで)が地域に根差した形で自発的に広がっていく。
cloverみんくるカフェ全国展開中
〈みんくるカフェ浜田店〉行政と連携して医師による地区巡回型カフェの開催
〈みんくるカフェ@光が丘〉地域に根差して活動している人たちを発掘し、つながりが形成された例
〈みんくるCafeイズモ〉保健師が中心となり、保健行政の「縦割り」を崩し、地域づくり活動(商品開発など)が成功している例

pencil地域づくりにつなげるカフェ型コミュニケーション
⇒「気づき」を促し、市民の主体性を引き出す
⇒地域で埋もれている「キーパーソン」となる人達同士が出会う(キーパーソンの発掘)
→チームを形成→アイディア出し(課題解決のアイディアをどんどんテーブルに乗せていく)→継続的なアクション
・・・これら一連のプロセスを有効に促すことができる可能性


fourその後、スピーカー3名によるパネルディスカッションが行われました。

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スーパーマンはいない。全てを知る人はいないので、様々な得意分野を持つ人たちが集まって、対話等を通してアイディアを出し合い、それぞれの特徴を活かし合うことが大切。その際に、ヘルスリテラシーの高い人・つなげる人が重要なのだが…そういった人がなかなかいない。その原因は、そもそも健康や地域の健康課題について学ぶ機会がないからではないか。自分の研究(未発表)でも、OECDとの比較で日本人のヘルスリテラシーはすごく低いことがわかった。「専門家」に意見を求めがちで、結局誰も何もよく知らない…という状況が生まれているのかもしれない。

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健康メディア、例えば「ためしてガッテン」などの関心は高い。その事とヘルスリテラシーの低さはどのような関係にあるのか?

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日本における“健康情報”の信頼性はとても低い。どこで確かな情報を得られるかも普及していない。日本の保健所等も情報を出していない訳ではないのだが…。米国では「Medline Plus」といって、健康や疾患について調べられるポータル・ウェブサイトが広く認知・活用されている。日本では、何か知りたい時に「ここで調べればいい」とぱっと思いつくものがないのが問題。

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医師の立場で言うと、日本の医師は忙しすぎる。みんくるカフェを各地で開いている医師も、時間の限られている中で何とかやっている現状。多職種の人たちがもっと活躍出来るといいかなと思っている。
オタワ憲章作成にも関わったI・キックブッシュが来日した際、「日本にはたくさんのコンビニやドラッグストアがあるのに、なぜヘルスプロモーションに活用しないのか」と問われた事があった。健康について気軽に情報を得られたり、人とつながれたりする場をもっと広げたい。みんくるカフェ全国展開も展望に。

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日本でみんながどこで健康情報を得ているかというと、ネット上のQ&Aサイト。他国と比較にならないほど、知恵袋率が高い。「(同じ疾患の)経験がある」という「人」の意見を信用するという側面が見られる。それはSNS上だけに留まる傾向ではないので、医療従事者も含め、Face to Faceで出会える場を増やせるといいかも。グルコサミン人気を例に取っても、グループで集まって意見を出し合いながら情報を一緒に探してみる、というアプローチにすると、よりヘルスリテラシー向上に結び付きやすいと思う。

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five後半は、参加者によるワールドカフェです。

大テーマは「健康を核とする地域づくりを実現していくには?」
さらにテーブルごとの小テーマは、「日本に求められる「健康な地域」の戦略は?」、「医療関係者に必要な意識や行動は?」、「観光や地域産業と健康を結びつけるには?」、「ヘルスシティを実現するにはどのような対話が必要か?」の4つで行いました!

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mobaq日本に求められる「健康な地域」の戦略は?
・そもそも「健康」ってなんなんだ?の共有が必要
・小中学校の空き教室など、既存の街なかスペースを活用するとよいのでは
・地域は重層的。住んでいる場所(コア)から出かける場所(周辺)まで。それぞれの地域をつなげる形で健康課題の洗い出しやアクションを取れると全体の底上げになるかも。

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mobaq医療関係者に必要な意識や行動は?
・予防の段階で出会いたい(通常は病気になってからでないと話せない)
・ゆっくり話せる場が欲しい(職業つながりでなく、個人として)
・普段の生活で患者が担っている役割を知ることの大切さ

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mobaq観光や地域産業と健康を結びつけるには?
・観光スポットのない地域は?→「元気なおばちゃんプロジェクト」など、地域住民自身による「イイトコ探し」をする!
・コミュニティバス~地域住民がまず動きだす仕掛けづくり
・何かを作り出すのは大変、負担。今あるものを活かす取り組み~散歩コース、地産池消
・お祭りなど、イベントとからめて企画する

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mobaqヘルスシティを実現するには、どのような対話が必要か?
・行政と“知り合い”になれる場
・既に健康問題を抱えている人が周りにいるなら、その人・グループの課題をどう解決するかを一緒に考えるところが始めてもよいかも(“一人の問題”を幅広い背景の人達が“一緒に考える”)
・「健康とファッション」など、従来あまりつながりの無かったテーマで対話の場を呼びかける
・ひきこもり中の人もネットは見てるかも~SNS上で対話できる工夫もいい

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最後に、それぞれ個人とグループごとに「ヘルスシティへのアクション計画」を作ってもらって、今回のシンポジウムは終了しました。

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御登壇いただいた中山先生、また参加して頂いた皆様に感謝申し上げます。
どうも、ありがとうございました。

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(文責:そんそん)

2014年7月11日 (金)

第30回みんくるカフェ「いのちをめぐる対話-意思決定ができない赤ちゃんのいのちを考えることを通して-」

こんにちは!

みんくるカフェスタッフのまみです!

clover7月11日(金)、第30回みんくるカフェ「いのちをめぐる対話-意思決定ができない赤ちゃんのいのちを考えることを通して-」を開催しました!
みんくるカフェ死生学シリーズ第4弾となります。

場所は、レトロな雰囲気、昭和時代にタイムスリップしたような・・・そんな錯覚を覚える珈琲「金魚坂」さんで行いました。
参加者は、医療者(看護師・助産師・薬剤師・栄養士・MSWなど)、会社員の方、ライターさん、看護学生、僧侶の方など16名でした。

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cloverまずは、各テーブルで自己紹介、そして「マイブーム」について一言ずつお話してもらいました。
はじめは静かな雰囲気だった各テーブルですが、声が少しずつ大きくなっていき、徐々に場が和んでいきました。

cloverその後、修士時代に臨床死生学を学んでいた私が、少しだけ死生学についてお話しました。
死生学とは「死」と向き合うことで「生」の意味を考えていく、それはまさしく「いのち」について考える学問です。単なる生命体としての「命」だけではなく、人として生きる「いのち」について深く考えます。
死が遠い存在となり、「いのち」の大切さに疎くなっているといわれる現代社会で、敢えて「死」を考えることによって「生」について考える。そんな視点を与えてくれるのが死生学です。
そして今回は、そんな死生学の視点を少しとり入れながら、重い障害をもった赤ちゃんのいのちについてどのように考えたらいいのか、というテーマで参加者の皆さんと対話を行いました。


cloverまずは、参加者の皆さんと番組を録画したDVDを一緒に観ました。
番組は「いのちをめぐる対話-新生児医療は今-」というものです。2008年にNHKで放送されたものです。

DVDには、生まれつきのご病気の赤ちゃん、お誕生のときに具合の悪くなってしまった赤ちゃん、赤ちゃんのご両親、そしてそれぞれの赤ちゃんの担当の医師が登場します。
どのようにしてあげることが赤ちゃんたちにとって最善なのか。ご両親と医師との間で赤ちゃんのいのちをめぐる対話が何回にもわたって行われます。

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clover医療の現場では、インフォームドコンセント(説明と同意)という言葉がよく聞かれます。
しかし、ここでは「対話」が行われていました。
一方的な説明を医師が行うのではなく、ご両親と対話を重ねる。意思表示ができない赤ちゃんだからこそ、赤ちゃんにとってどうしてあげることが一番なのかをともに考えます。
ましてや、ご両親は赤ちゃんとの十分な親子関係がまだ築けていないため、非常に迷い悩まれることが想像できます。
だからこそ、医師からの一方的な説明ではなく、ともに考えることを大切にする対話がいかに重要なのかということに気づかされました。

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cloverDVDを視聴したあとは、参加者の皆さんで対話をしていただきました。
対話のテーマは3つです。

oneあなたがもしも親の立場だったら?
あなたが治る見込みが少ない大きな病気をもった赤ちゃんの親だったとき、赤ちゃんの幸せについて考えるとき、どのようにしてあげることが赤ちゃんにとって幸せだと考えますか?
twoあなたがもしも赤ちゃんや親御さんをサポートする立場だったら?
赤ちゃんの幸せについて考えるとき、どのようにしてあげることが赤ちゃんにとって幸せだと考えますか?
医療者の立場として、おじいちゃん・おばあちゃんの立場として、友人として、社会の一員として。
three幸せに生きるとはどういうことなのでしょうか?

まずは4つのテーブルすべてで①のテーマについて対話をしてもらいました。
続いて席を移動し、②と③のテーマについて2つずつのテーブルで対話をしてもらいました。
再度席を移動して、参加者の方には、すべてのテーマについて対話に参加してもらう形となりました。

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なかなか口に出して言えないこともあるかもわかりません。
ただ、対話の場は守られている場であること、ここでは正解を見つけるのではなく、色々な人と対話をすることにより、考え方の多様性、そしてこれまで気づかなかった新たな気づきが得られるということが大切なことということを皆さんにお伝えしました。

対話の時間はあっという間に過ぎていきました。
決して簡単なテーマではないので、対話に参加されたみなさんの一言ひとことは、考えて発せられる言葉、そんな印象でした。
最後に各テーブルのファシリテーターに、テーブルでどのような対話が行われたのか発表してもらいました。対話の内容をご紹介します。

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cherryAグループ(①親の立場なら?→③幸せに生きるとは?)

clip子どもの幸せを推察するが、そこには迷いがある。難しい。医療従事者との関係では親としての気持ちを完全にわかってもらうことは無理だろうというあきらめの気持ちもある。でも、完全にわかってもらえなくても医療者にはわきまえてそばにいて欲しい、それが親としての気持ちでもある。
clip幸せに生きるということをどう考えたらいいのか・・。赤ちゃんは生きてきた歴史が短いから、高齢者と比べると、その人の価値観やその人らしさというものがわかりにくい。でもまったくわからないわけではなく、親にはわかるところがあるはず。子どもと親は一体化しているところもある。親にとっての幸せが子どもにとっても幸せとも考えられる。そうやって考えて納得することもある。
clip大人だって一人では生きてはいけいない。それは子ども一緒。そして幸せというものはとても相対的であり、瞬間的な小さいことから無限大の幸せを感じることができる、と。
clip対話を真摯に重ねていくことが大事だが、現場では対話が現状は少ない。立場が違う、医療者と患者・家族が、説明や同意という一方向ではなく、双方向で対話することが大事。

bananaBグループ(①親の立場なら?→②サポートする立場なら?)

clip赤ちゃんは生まれたときから意志がある。赤ちゃんの出す生きる意志のサインを見抜くことが大切。
clipサポートする立場のとき、家族の悩みに付き合うこと、思いを聴く姿勢が大切。寄り添う気持ちが必要。家族の状況、家族関係、医師との関係、赤ちゃんの状態もそのときそのときで変わってくる。プロセスがある。様々な決定場面がある。そして決定されたことについてサポートする立場にある者は、ご両親をしっかりと支援する姿勢をもつことがとても大切。

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appleCグループ(①親の立場なら?→②サポートする立場なら?)

clip生まれたからには、やはり親としては生きてほしいと思う。短命だから、病気をもっているからかわいそうだというのではなく、いのちを大切にしてほしいという気持ちがある。
clip赤ちゃんとコミュニケーションがとれるわけではないから、赤ちゃんにとっての幸せなのか、親にとっての幸せなのか、その線引きが難しい。
clipサポートする立場からは、自分たちを責めてしまうご両親をしっかりとサポートする体制が大切。
clip赤ちゃんの快・不快がもしも何らかの検査の結果からわかるのであれば、素人はわからないので、医師にそれを説明してもらいたい。そして対話を続けていくことがとても大切だと思う。

riceballDグループ(①親の立場なら?→③幸せに生きるとは?)

clip高齢者にとっては大往生というものがある。高齢者の考えていることを推測するにはそれまでの生きざまを通して様々な判断材料がある。でも、赤ちゃんはそれがわかりにくい。本能的に親はわかるかもしれないけれど、でも判断材料が少ないから難しい。
clip赤ちゃんの幸せは、みんなにとっての幸せにつながるものでもある。
clip生きている、ということそれだけで幸せかもしれないけど、社会的な幸せということを考えると、人間ひとりだけでは幸せについて考えることはできない。ほかの人の幸せが自分の幸せに感じることもある。

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参加者の皆さんの対話の内容を聞かせていただき、改めて難しいテーマだと思いました。
小さな小さな存在だけれども、重みあるいのちの存在を、私たち大人はしっかりと受けてとめ、赤ちゃんにとっての最善はなにか、赤ちゃんは何を望んでいるのか、そして赤ちゃんとそのご家族にとっての幸せはどういうことか?真摯な対話を重ねて考えていくことが大切であるのだと思いました。
そして幸せに生きるということは、一人だけではわからないものである、ということを改めて考えました。

参加者の皆さま、ありがとうございました!


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最後に皆様から寄せられたアンケートをご紹介します。

◎新たな気づきや学んだことはありますか?
clip赤ちゃんを生まれたときから一人の人間として扱うこと。当たり前のことですが、今回話して改めて気づきました。
clip生後間もなくの子を亡くす状況は全くの想定外で非常に重いテーマだったが、そのことに触れられたことは貴重な体験でした。
clipムンテラでもなくインフォームドコンセントでもなく、「対話」の大切さを改めて考えました。
clip単なる事実を伝えるだけでは不十分なときがあること。

◎あなたの活動やお仕事にどんな影響を与えそうですか?
clipSWとして改めて家族と対話することの大切さに気付いた気がします。対話の場づくりをしていきたいです。
clip答えを見つけるより、一緒に考えていくことの重要性を学びました。
clipテーマが重く、答えのないモヤモヤが残った。しかし、だからこそ「生きるとは」を考えていかなければいけないのだと思った。
clip医療現場でも様々な場面で対話ということを意識していきたいと感じた。医療者と患者だけでなく、DrとNsの対話もきっと必要なのだと思います。


(文責:まみ)

2014年5月15日 (木)

第29回みんくるカフェ「作業療法士の扱う”作業”を健康に活かすには?」

みなさま、こんにちはhappy01
みんくるプロデュース・スタッフのかっちゃんです。

5月15日に開催されました第29回みんくるカフェ「作業療法士の扱う”作業”を健康に活かすには?」のご報告をさせて頂きますsun
今回の場所は「湯島食堂」さんrestaurant初めて使わせて頂いたのですが、なんとこの夏に閉まってしまいましたweep
とってもおしゃれな空間で、野菜だけを使うというこだわりのおいしいお料理が魅力の「湯島食堂」さんrestaurantまたオープンすることを切に願うばかりですpaper

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さて、そんな空間でのみんくるカフェですが、今回は作業療法士の扱う“作業”をテーマにしたためか、作業療法士の方や作業療法学科の学生さんがいらしてくださいました。
医療職同士や一般の方々が作業療法という聞き馴染みのない仕事や作業について対話する時間を過ごすことが出来ました。

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今回は、ゲストスピーカーに日本作業療法士協会理事の谷隆博さんをお呼びして、作業療法ってどんなことをするのかについてお話して頂きました。
以前、職業を尋ねられた際に「作業療法士です」と伝えると「えっと、土木作業の関係ですか?」と間違われたというおもしろエピソードを交え、作業療法という名前がなかなか馴染みが無いということや、作業療法士は1つの専門性にこだわりすぎず、その人に合わせて色んな作業を支援して行くというお話をしてくださいました。さすが関西の方、楽しく和やかに作業療法や作業について触れることが出来ました。

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その後は各テーブルでの対話の時間です。
対話のテーマは3つ、テーブルは4つに別れて、各テーブルで健康と作業についての対話が行われました。
以下に各テーブルでの内容を紹介します。


pencilテーブル1「健康を支える作業とは?」

・健康と言う言葉の意味について、作業と言う言葉の意味について。作業と健康の関係について考える。
・作業と言う言葉自体が人それぞれ違う定義づけをしている。
・その人にとっての作業、健康、自分らしさって何か。
・日常行為そのものが”作業”という要素がある。
・ルーティーンが自分にとって意味のあるかたちでリズムを取って出来ること「ありのまま」が大切。
・1人でやる作業もあれば仲間とやる作業もある。

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(右の模造紙の写真をクリックすると拡大されますupwardright


pencilテーブル2「今までやっていた作業活動は違う活動でも代替出来るか?」

・バスケが出来なくなったけどゴスペルが出来る(共通する意味はチームワークの実感)
・食事を沢山食べることが出来なくても料理を作ることが出来る。
・活動Aから違う活動Bに移り変わるまでは、どう過ごすのか?喪失感や葛藤、今までの自分に戻りたいという思いがある。待ってくれる環境や、待ってくれる人が大切。
・代替するためには役割の転換が出来ることが大切。「自分が作業をすることが出来なくても教える、人から頼まれごとをするということは出来る」
・役割の転換が大切。それにはごちゃごちゃしている環境が大切。

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(右の模造紙の写真をクリックすると拡大されますupwardright


pencilテーブル3ー①「最期までやっていたい作業活動は?」

・自分たちが何をやっていたいか?→ラーメンを食べていたい、コーヒーを飲み続けたい、選びにいきたい、おしゃれをし続けたい。
・好きなことというのは、こだわりがあること?
・自分の意志が表示出来なくても最期までやっていたいものをやるためにエンディングノートを準備しておく。
・今その時にやりたいことが出来ることが大切。
・出来なくなってきたことをきちんと受け入れる自分、周りの人にそのことを伝えられるということが大切。
・素直に感謝を。
・作業=行動、目に見えること、動くこと。と思って縛られていたけど、心とか思いも動く。その捉えにくくて表現しにくいことを敏感に捉えられることが大事。その心の動きを大切にしたい。

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(右の模造紙の写真をクリックすると拡大されますupwardright


pencilテーブル3ー②「最期までやっていたい作業活動は?」

・モテ期をもう一度。
・最期まで作業を行っていくには健康が必要。そのためには地域の人とのつながり、関わりが大切。
・自分の足跡、人生の振り返りがとても大切。
・自然体で自分と向き合うことが大切。
・作業活動=動いてないとだめ?→後悔しないような活動、生きる原動力になるような活動が最期までやっていたい活動なのではないか。そのために人生を振り返るというのも大切な作業活動なのではないか。

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(右の模造紙の写真をクリックすると拡大されますupwardright


「作業療法士が扱う作業を健康に活かすには?」というテーマで対話を行って行きましたが、”作業”の捉え方について、目に見える外見的な作業(ラーメンを食べたい、おしゃれがしたい)から精神的な内面的なところにまで話が進んでいき、作業そのものよりもその作業をどういう気持ちで行っていくかという話になって行きました。
参加者には、作業療法士とともに働く医療職の方々や、これから作業療法士になる学生さんがいたため、とても実りある時間を過ごすことが出来ました。
ゲストスピーカーの谷さんも、皆さんがとても深く作業のことを考えて話をしていたため、とても驚いたとおっしゃっていましたclover

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参加してくださった皆様、ブログを呼んでくださった皆様、ありがとうございました!
最後に、アンケートより一部を抜粋してご紹介しますpencil


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


clip今回参加して、新たな気付きや学んだことは何ですか?

・OTさんと話すことと、PTさんと話すことを一緒くたにして話していたが、別の視点で語るべきことを今回初めて知った
・作業療法という言葉でなく、療法としてより人としてのありようを考えさせられるきっかけをつくる役割をになっていることに気付きました
・他職種にも作業を真剣に考えている方がいて、そのような人と一緒に働きたいと思いました。
・作業療法の作業は、行うことだけでなく、思うこと、考えることなどの精神的なことや社会的なことも入るということ
・作業療法・作業活動といえば、動くことや日常活動というイメージだったが、今回参加し、作業には人の気持ちや人生など多くのことが含まれていると思いました。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

・患者さん、その人への興味が強くなるかも
・“作業”ということばの意味付けがわかった・広がった
・最期まで自分らしく生きることはを考えさせられる機会を得ました
・自分のやっていることが時には出来なくなることを考えさせられました→・役割の転換、ごちゃまぜの環境、待っていい環境と待ってくれる人、これらのキーワードを今後の活動に活かしたい
・患者さんの「作業」を見つけたり、気付けたり出来るお手伝いが出来たら嬉しい
・学校に帰ってから作業について、老年などについての勉強に興味がわいてきました

(文責:かっちゃん)

2014年3月 9日 (日)

第1回みんくるカフェ全国活動報告会〜カフェ型ヘルスコミュニケーションから考える地域の健康づくり〜

さる3月9日(日)に東京大学において、
「第1回みんくるカフェ全国活動報告会〜カフェ型ヘルスコミュニケーションから考える地域の健康づくり〜」
を開催しました!

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2010年に発足したみんくるプロデュースは、3年以上継続的に市民・患者と医療者がフラットに対話できる場づくりを実践してきました。
また、そうした対話の場のファシリテーターを育成する活動も続けた結果、今や北海道から九州まで全国に10カ所以上の「みんくるカフェ」が立ち上がり、各地でカフェ型コミュニケーションが実践されています。
今回、そうした各地のみんくるカフェ関連団体の活動報告会を行い、関心のある一般の方も参加できる機会をもうけました。

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参加者は、一般参加者とゲストスピーカー合わせた52名と、スタッフ7名の総勢59名でした!


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第1部は、カフェ型ヘルスコミュニケーションとコミュニティヘルスに関するシンポジウムです。

みんくるプロデュース代表の孫(医師)は、質問紙研究の結果からカフェ型ヘルスコミュニケーションに参加した市民・患者と医療専門職の双方に、ものの見方(パースペクティブ)が変容する「変容的学習」が起きていることを報告しました。

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次に、神谷泉氏(医師)による講演「健康の社会的決定要因とコミュニティヘルス」という講演が行われました。
米国でのホームレス支援などの経験もまじえ、健康の社会的決定要因としてのライフスタイルや所得の影響、そしてコミュニティヘルスにおいて予防・ヘルスプロモーション・行動変容が決定的に重要であること、文化によってそれらが変わることなどが語られました。

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最後は、大貫周子氏(南八王子病院)の「銚子市民との対話を通したまちづくりの取組み」という講演でした。
大貫さんは、まちづくりにおいて焦点を当てるべきは「生活」であること、またあえて働きかけることはせず、対話活動などを通して「気づかないうちに」ヘルスリテラシーを上げるような活動を理想としていることなどが語られました。

パネルディスカッションでは、ゲストと会場の間で、地域の課題解決のためのアクションをおこなうためにどんなことに気をつけなければいけないのか、そのような活動の中で対話にはどんな意義があるのか、などについて活発な質疑応答が行われました。

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第2部は、各みんくるカフェ関連団体の活動報告会です。

one「みんくるカフェ浜田店」(島根県浜田市)
主催の宮本医師から、浜田市の各地区において、公民館などで地域住民に対してカフェ型のヘルスプロモーション活動を行っている様子が報告されました。行政から正式に依頼されてキャラバン形式でまわっているのだそうです。

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two「みんくるカフェAkita」(秋田県秋田市)
主催の伊藤医師から、市内のおしゃれなカフェなどで、地域住民にとって気軽に医療従事者と語り、学べる場づくりをしている様子が報告されました。

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three「あらかわカフェ」(東京都荒川区)
みんくるカフェ姉妹店として、2011年より活動を続けている菅野医師より、荒川のまちづくりをベースとして、さまざまな対話やヘルスプロモーション活動を行っている様子が報告されました。

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four「Jaroカフェ」(広島県広島市)
やはり、みんくるカフェ姉妹店として、広島大学医学生の石井さんと佐々木さんより、学生中心の活動として、医療職と地域住民が互いに語り合い、学び合う活動を続けていることが報告されました。

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five「omni-cafe(オムニカフェ)」(神奈川県平塚市)
主催の作業療法士西野さんより、「自分らしく生きる」をコンセプトとして、障害をもちながらも自分らしく生活することや働くことについて、市民と専門職が対話を行っている様子が報告されました。

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six「暮らしのカフェ」(東京都板橋区)
作業療法士の河原さんが主催して、リハビリ職と地域住民が街中の喫茶店で、「リハビリ×暮らし」をテーマに対話活動を行っていることが報告されました。

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seven「学びの食卓」(東京都)
主催の武藤さんから、医食同源をコンセプトとして、食を通じたココロとカラダのセルフメンテナンスを目指した対話やワークショップを実践していることが報告されました。

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今回、活動報告できなかった他のみんくるカフェ関連団体も含め、全国のさまざまな地域において、さまざまな職種の方たちが主催する形で、多様なコンセプトでカフェ型の対話活動が行われていることが伺えました。

対話活動だけでは地域の課題解決にはつながらないのではないか?という疑問も参加者の方からあがっていましたが、このような地道な対話活動を続けることで、地域において専門職と住民の間に信頼関係を生み出したり、あらたなネットワーキングを生み出して発展型の活動につながったりするという実績が、徐々に積み重なっているように感じました。


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第3部では、関連団体スタッフと参加者が自由に交流し対話できる時間をもうけました。

会場後方のパネルに各みんくる関連団体の活動紹介ポスターが貼り出され、それぞれの前で団体代表の方と、一般参加者の間で、自由なやりとりがなされ、大変盛り上がりました!

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最後には、参加者全員で記念撮影cameraを行い、第1回のみんくるカフェ全国活動報告会は幕を閉じました。

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みんくるカフェの活動も3年以上を経て、このようにさまざまな形で全国に広がっていること、そして地域において市民と医療専門職の垣根が低くなり、地域住民のヘルスリテラシーが向上するような理想的な対話活動が広がっていることを実感し、ほんとに胸が熱くなりましたsign01

今回、参加していただいた皆さま、そして遠方からもかけつけて活動報告をしていただいた関連団体の皆さまにも深く感謝申し上げます。

これからも、みんくるプロデューススタッフ一同、カフェ型の対話活動から地域のヘルスプロモーションを目指すことを目標として、頑張って行きたいと思っています。

これからも、みんくるカフェをどうぞよろしくお願い申し上げますsign03


(文責:そんそん)

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2014年2月22日 (土)

学びの食卓×みんくるカフェコラボ企画「食卓カフェ」

さる2月22日に、学びの食卓×みんくるカフェコラボ企画「食卓カフェ」を開催しました。

『学びの食卓』プロデュースとは、みんくるファシリテーター育成講座4期生の武藤さんが起ち上げた「医食同源」をコンセプトとして立ち上げた団体です。

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武藤さんは「『食』を通したココロとカラダのセルフメンテナンス」つまり「大人の食育・医療育」をプロデュースする場づくりを目指しています。
今回は『学びの食卓』プロデュースの記念すべき第1回企画として、みんくるカフェとのコラボ企画という形でしました。

今回のテーマは、「『食』って大事だなと思った瞬間ってどんな時ですか?~一緒にごはんを食べながら医食同源を考えてみよう!<食卓編> ~」restaurant

誰かと一緒に食事を取ることを「共食」、ひとりで孤独に食べることを「孤食」といいますが、これらのキーワードについて、管理栄養士さんのわかりやすい解説や、ひとりひとりの体験談を交えながらココロとカラダの栄養について対話しました。

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参加者は、19名の方々。医師、管理栄養士、薬剤師などの専門職に加え、医療や食育に関心のある市民の方々、また医学生,看護学生、栄養学の学生さんなども参加されていました!

まずは武藤さんによるオープニングの挨拶とアイスブレイクの後に、玄米おむすびriceballによるランチタイムとなりました!
本郷三丁目にある「権兵衛」のおむすびriceballは、見た目も良く、美味しくてヘルシーという今日のテーマにぴったりの食材です。

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そしておむすびriceballを食べながら、管理栄養士の小沼さんのお話を聞きました。
食育とは、食を通じたコミュニケーションの大事さ、共食と孤食について、それらが健康に与える影響についてなど、参加者にたくさんの問いかけが投げかけられました。

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その後は参加者による対話の時間です。
テーブルごとに別れ、ワールドカフェ形式で

one『誰かと一緒に食べること』がココロとカラダにもたらすものって何ですか?
two『ひとりで食べること』がココロとカラダにもたらすものって何ですか?

という2つのお題で自由にお互いの考えを聞き合います。

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それぞれのテーマに関する対話の内容を一部紹介すると・・・

one『誰かと一緒に食べること』がココロとカラダにもたらすものって何ですか?

・物語が出来る。「食」を通じた会話、信頼関係が生まれる。
・皆で食べる、その場で思いを語ることで、つながり・交流がもてる
・人間性が分かっちゃう(後片付けをするかどうかでも)
・関係性を築き、気づきを得る。人との接点に気がつく。
・(家の)文化の継承・交流の場。一緒に食べることはコミュニケーションの訓練の場。
・食べる相手によっては気をつかう
・ビジネスの現場でも食を通じて和む
・暮らしや地域の歴史が分かる。料理の持ち寄りや祭りなどの食の文化。

two『ひとりで食べること』がココロとカラダにもたらすものって何ですか?

・高齢者はボケやすいかもしれない
・孤独感がある
・1人でゆっくりできて、スケジュールも自由。自分のペースで食べられる。
・1人でのカフェタイムは癒し
・好きなものを食べられる。体調に応じて選べる。
・自分と向き合う時間になる
・風邪をひいたときの一人飯はつらい
・「ながら食」は食べる行為がオートマチックになりがち
・共食疲れの場合、1人の食事が癒しになる

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一般的に、共食のほうがポジティブな効果があって、孤食がネガティブと思われがちですが、共食にも「共食疲れ」や「気をつかう」という部分があり、また孤食にも「自分と向き合う時間」になり「癒しの時間」になることもある、という興味深い意見がたくさん出ていました。

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その後、個人ごとに中間ふりかえりを行い、そこから生まれた新しい疑問から3つのテーマを設定し、対話しました。

three孤食と共食の良いバランスとは?
four「共食が楽しい」って何を話してるの?
fiveより良い孤食とは何だろう?

再び、対話の内容を紹介すると・・・

three孤食と共食の良いバランスとは?

・共食がシステムになるとつらい。自由度のある選択がほしい。
・共食の中でも孤立化することがある。どういう環境で誰と食べるかが大事。
・食で人は創られる。共食は重要なしつけを学ぶ場でもある。
・誰かと食べる環境で吸収される栄養が変わってくるかも。

four「共食が楽しい」って何を話してるの?

・メニュー決めから大議論!食べるところだけでなくプロセス全体を楽しめるとナイス。
・今日あったこと(を親は知りたい)
・「会話のない共食」はむしろ楽しくない
・聴くことも大事(何ってわけじゃない)。一緒に食べてる、それだけでもスペシャル。
・共食だと優先事項が人それぞれ、複数になる(味だけ、手の込みようだけじゃない)
・「家族の味」を長くかけて作っていく

fiveより良い孤食とは何だろう?

・アクティブに自分で料理を作る
・食事内容も自分で考えられる。意欲と体力が必要。
・おそうざいコンビニがあるといいな(それをみんなで食べる場所がある)
・周りに人がいるような空間で、一人で食べる(ゆるいつながりのある空間)
・三食すべて孤食にしないで、バランス良く

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以上のような大変興味深い対話が行われました。
参加者は20歳前後の大学生から、60代の年配の方まで、さまざまな背景の方がいましたが、これだけ多くの視点から対話が盛り上がったのは、「食と健康」というのがとても普遍的なテーマであり、また毎日の日常的なテーマでもあったからだと思いますsun

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私も医療に携わるものとしてのみならず、自分の日常の食生活をふりかえるという意味でも、考えをあらたにする機会となりました。
家族や友人と食事をすることの大切さ、食事をしながらも「今、ここ」にいる感覚、そして食を通じたコミュニケーションの貴重さ、などを改めて痛感しました。

今回の企画と運営をメインに実行してくれた武藤さん、そしてゲストスピーチをしてくれた小沼さんに心より感謝いたしますgood
また休日に足を運んで参加していただいた皆様にも感謝申し上げます。
どうもありがとうございましたsign03

みんくるプロデュースでも、今後再び『食と健康』に関するテーマをとりあげていきたいと思います。


(文責:そんそん)

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参加者アンケートから一部、感想をご紹介します。


clip食をどの場面・どんな時・誰と食べるか、その社会的意味に気づかされました。毎回限られた時間の中でとても中身の濃い対話が行われ、感心しています。
clip孤食に対してマイナスイメージが強かったのですが、自分と対話する良い時間でもあることに気づきました。
clip個人の経験によって共食・孤食に対する印象がずいぶん違うこと、共食・孤食それぞれ楽しくできる工夫が大切なことを学びました。
clip実際に”食べる”ことで他の参加者の人と話すきっかけになりました。普段一人で適当に済ましがちな「食」について改めて重要さを感じることができました。

2014年1月28日 (火)

がじゅまる×みんくるコラボ企画「知的障がい者と医療の間のバリアを考える」

さる2014年1月28日に、みんくるプロデュースと知的障がい児・者の医療を考える会がじゅまるさんとのコラボ企画「知的障がい者と医療の間のバリアを考える」を開催しましたsun

場所は、本郷の老舗レストランカフェ「金魚坂」で、みんくるカフェとしては初めて使わせて頂きましたが大変素敵な場所で大満足でした。
大変雰囲気の良い空間のなか、参加者13名とスタッフ4名で、コーヒーを飲みながら対話の時間を過ごしました。

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ゲストスピーカーは、がじゅまる代表で医師でもある高木佐知子さんと、横浜市職員で社会福祉士でもある江原顕さんでした。


cloverまずは、江原さんから障がいの定義や分類の話。
江原さんは横浜で長らく障害福祉に従事している専門家で、
「私は障害のことが大好きで、2時間でも3時間でもしゃべってしまいます!」
という面白い方です(実は、みんくる代表の孫と大学同期です)。

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障害には、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病などいくつもあり、新しい障害の分類が次々と生まれているとのこと。
およそ日本の全人口の1割が何らかの障害を抱えているそうです。
また、知的障害は法律で定義がはっきりしていないというのも問題だそうです。

近年の大きな動きとして、世界保健機関が提唱する国際障害分類が、国際生活機能分類になったことです。
これは、何かが欠如しているというマイナスからではなく、生活機能という大きな枠組みでその人を見ることへの変化だそうです。
また、障がいの捉え方が、障がいはその人に帰属する「医学モデル」から、社会がその人に負わせている「社会モデル」に変化してきているそうです。
社会的概念としても、「リハビリテーション」(障がい者を健常者にさせる)から、「ノーマライゼーション」(障がい者に健常者と同じ機会を提供する)へ、そして最近ではさらに「ソーシャルインクルージョン」(障がい者と健常者が共生する)へと大きく変化してきている中、日本ではまだ入所施設での処遇が多かったり、障がい者に対する誤解が多かったりして、健常者と障がい者の共生はまだまだ進んでいないとのことでした。


clover次に、がじゅまる代表の高木さんのお話です。

高木さんは、知的障がい児や障がい者が医療にかかるときの問題点について、知的障がいの具体的な現状などから分かりやすく説明してくれました。

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まず発達障がいと違い、知的障がい者は周囲に起こっていることを理解できなかったり、普通のコミュニケーションが成り立たなかったりします。
実際の医療現場(外来診療など)では、実は診断のために必要な情報のほとんどは問診から得られます。その「問診」という部分で、まず困難なことが多いのです。
また採血や予防注射という痛い検査も耐えられないことが多いし、例えば検査や治療の説明と同意(インフォームドコンセント)も、健常者を前提として説明文書などが作られていますが、そこにも困難がつきまといます。
また「病気の受容」は、病気が「なぜ」起きたのかを自分なりに理解することで耐えられるわけですが、そこが、知的障がいの場合理解できないので、病院に行くこと自体を拒否したりします。
こうした知的障がい者の現状については、医療関係者にもあまり理解されておらず、問題行動が起きたりするだけで、診療を拒まれるということも少なくないそうなのです。

そんな中、歯科では先進的な取り組みが始まっています。
歯学部では、障がい者の歯科診療についての教育が行われています。
また「障害歯科」という専門科もあり、障害歯科専門の歯科医がいるそうです。
そして「心身障害児者歯科診療協力医療機関」が整備されており、障がい児・者に対応できる歯科診療が実現しているのです。
それに比べ、医科では教育から全く進んでいないという現状を高木さんは嘆いておられました。

cherry高木さんの言葉で「理解力そのものが低い人には、医療は冷たいのではないか」という言葉が印象的でした。


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後半は、参加者とともにワールドカフェを行いました。
テーマは3つで
1) 障がい者と医療の間の問題を解決していくためには?
2) 障がい者の現状を広く知ってもらうためには?
3) 障がいから考える、住みやすい社会とは?

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以下に対話の一部を紹介します。

one「障がい者と医療の間の問題を解決していくためには?」のテーブルでは、
・「病院=痛み」という刷り込みの「解きほぐし」が難しい。
・ある病院では拘束具を使わないで、3ヶ月かけて変化させた。そういった組織ぐるみでの取り組みが重要。
・国をあげての指針作成や法整備も大事。
・診療の場で使えるいろんなツール(痛みや辛さを伝えるための絵カードなど)を、病院側だけでなく患者側からも作成していきたい。

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two「障がい者の現状を広く知ってもらうためには?」のテーブルでは、
・「物語」や「メッセージ性」がある方が、普段障がいと関わりがない人にも伝わりやすい。
・見えにくい障がいのことを生活レベルに落とし込んで伝える。
・草の根的な活動、地域ごとの活動で広げて行くほうが良いのではないか。
・地域でのサロンや地域に開かれたようなイベントを開催する。
・障がい者と一緒に働いたり、一緒に過ごす機会を増やす。

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three 障がいから考える、住みやすい社会とは?
・いろんな専門家やサポーターがいるが、その人たちをネットワーク化していく。
・暮らしの中で、まちレベルで情報を共有して、住みやすい社会にしていく。
・障がいを持っていても堂々と社会に出て行けるような社会。
・障がいを持っていることを地域の人に知ってもらう取り組み。
・周りに障がい者がいる方が、障がい者と共生するための価値観ができる。
・障がいの現状や対応を企業も学びサポートする(障がい者が持つ知恵を活用するという発想転換)。

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最後の江原さんの話で「障がいの社会モデルは、障がいは社会が解決していくものであり、専門家だけではなく市民全体で取り組む必要がある」という言葉が印象的でした。

今回も大変貴重な話題提供をしてくれた江原さん、高木さんに心から感謝しております。
また参加された皆さんも、まことにありがとうございました。

(そんそん)

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アンケートより一部感想を紹介します。

pencil 障がいは誰にも起こりえるのに、高齢者になるということほど、自分ごととして捉えられない。現状では私だって少なからず偏見を持っている。もっと学ぶ機会、触れる機会が必要。
pencil 利用者本人にどう自分の力をつけて頂くかということは考えていたけれど、自分が社会に対して何ができるかということは考えていなかった。そういう視点が落ちていた。
pencil 普段は専門家だけで考えている問題だが、いかに一般市民を巻き込むかを考えるきっかけになった。
pencil 障がい者とともに遊び、語り、汗を流すなどの体験が不可欠。
pencil 一般の方といきなりの話し合いの中でも、これだけ深く考えてもらえるものかと感動した。
pencil やはり「考える場」を作ることで、大きな効果が得られるのではないかと気づいた。

2013年11月22日 (金)

第28回みんくるカフェ「認知症家族介護者に焦点をあてて〜夫婦ライフレビューの意味」

さる11月22日に第28回みんくるカフェ「認知症家族介護者に焦点をあてて〜夫婦ライフレビューの意味」を開催しました!
場所は、本郷の知る人ぞ知るカフェ「モンテベルデ」で初開催です。

今回は、認知症と診断された方とその配偶者の方に対して、お二人の人生を振り返り回想して語っていただく夫婦へのライフレビューを行っている牧野恵理子さん(早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程老年社会福祉学専攻)をゲストスピーカーとしてお迎えしました。

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ライフレビューの意味を学びながら、認知症となった配偶者を介護する介護者の方に焦点をあてて、認知症となった配偶者の方を理解しともに生活することについて対話し考える企画です。
参加者は、医師、薬剤師、医学生などの医療従事者、また認知症の家族の方や患者・サポーターの方、研究者の方など13名でした。

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まずは、牧野さんによる認知症の夫婦の方へのライフレビューについてのお話がありました。
ライフレビューの効果は、個人の内面的効果(アイデンティティの形成、訪れる死のサインに伴う不安を和らげる等)とともに、社会への対外的効果(生活を活性化し楽しみを作る、対人関係の進展を促す)もあるそうです。
ライフレビューと似たものとして「回想法」がありますが、一般的回想法はグループ回想法として臨床・介護現場で広く用いられているのに対し、ライフレビューは個別的に行われ、人生の評価と洞察の促進を目的としているのだそうです。
牧野さんは、認知症の御夫婦にライフレビューによるインタビューを行い、「ふたりの物語」という御夫婦の人生アルバムを作成し、お渡しするということを実践される中で、その効果についても研究されているということでした。

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後半は、参加者によるワールドカフェを行いました。
テーマは
①「認知症家族介護者が求めるサポートとは?」
②「認知症となった家族をどのように受容するか?」
③「認知症家族介護者を地域で支えるためには?」

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それぞれのテーマで行われた対話の一部を紹介すると・・・

①「認知症家族介護者が求めるサポートとは?」
・ 一時的でもいいから精神的不安の解放(息抜き)が必要
・ 「認知症介護者サロン」のような場で、お互いの介護レベルを認識し受容したい
・ 認知症の方を一時的に預かってくれる場所があるといい
・ 認知症の方が楽しめそうな場所の構築が必要(映画館、演劇、レストランなど)
・ 認知症患者と家族が集まれるカフェ、おしゃれなイベントなど

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②「認知症となった家族をどのように受容するか?」
・ 一対一の介護がつらかったり、家族だからこそ一歩引いて見れなかったりする
・ 元気な頃の本人を知っている周りの人の存在(友人・ご近所さん)が重要
・ 距離をおくことで安心して近づける、安心して語れる場の提供を
・ きれいな受容はない。ぐるぐるする。きれいな受容を求めない
・ 受容は双方向。相手はどうしてほしいのかを考える

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③「認知症家族介護者を地域で支えるためには?」
・ 認知症の方でも男性と女性で人付き合いや暮らし方が違う。独居の認知症の方は難しい
・ 地域特性も大きい。ショッピングモールなどに話せる場を作るなど。
・ 認知症の家族はまだ「隠したがる」傾向がある
・ 認知症家族会や認知症カフェがもっと増えてほしい(情報発信も乏しい)
・ 近所や周りの人がおせっかいをして、声をかけるのが理想だが、プライバシーの問題などでハードルが高い

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以上のような、興味深い対話が行われました。
対話では、やはり多くの人が認知症の問題を身近に感じていながらも、実際に周囲に認知症のご家族がいた場合にどのように対応してよいのか戸惑っている様子が伺えました。
今回のライフレビューのお話や対話によって、認知症やその家族の問題をより自分ごととしてとらえ、アクションにつなげていくためのヒントを得られたような気がします。

ゲストスピーチをして頂いた牧野さんと、参加者の皆様に心より感謝申し上げます。
認知症のテーマは、今後もくりかえし取り上げていきたいと思います。


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アンケートより、参加者の感想をご紹介します。
・ 家族介護者をひとりにさせない方法を機能させることが大事だと思った。
・ 認知症の方の家族の立場になるということを初めて深く考えました。
・ まだまだ知られていない社会資源が地域の中にあること、それを広げることが必要ということが分かりました。
・ (ライフレビューのお話で)介護者と認知症の方のナラティブの変化を追うことで、受容・関係性の変化を可視化することができることを学びました。
・ 認知症家族のヒストリーをまとめて肯定していくといったプロセスを踏めるシステム(場)が必要であると感じました。

(文責:そんそん)

2013年10月27日 (日)

マイケア×みんくる コラボ企画 「みんなで考えよう、自分らしい老いのデザイン」

みなさま、こんにちはpaper
みんくるプロデュース・スタッフのまっつんです。

久しぶりのブログ書きで、なんだか恐縮ですが・・・2013年10月27日に開かれた特別コラボ企画の模様をお伝えしたいと思います。

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今回は、「介護のケアプランを自分で考えよう」と研修や提言などの活動をされている〈全国マイケアプランネットワーク〉と〈みんくるプロデュース〉が共同企画したもので、タイトルは、
『みんなで考えよう、自分らしい「老い」のデザイン』cherry

計3時間半の会に、参加者20名の皆さんとスタッフ8名が集いました。

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当日の前半は、短縮版のマイケアプラン・ワークショップ。

冒頭のマイケアプラン橋本さんのお話では、介護のケアプラン作成には、
①ケアマネージャーに依頼する方法と、②自分で計画を立てる方法の2つがあるのに、
多くの介護保険パンフレットに選択肢の記載がないこともあり、プランの自己作成が広まっていないことが紹介されました。

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「介護制度の範囲内で生活する、つまり制度に暮らしを合わせると、どうしても暮らしの中で出来ることが小さくなってしまう。けれど、誰でもきっと大切にしたい事はあるだろうしし、そういう“自分らしい暮らしの中に制度を取り入れていこう”というのが『マイ・ケアプラン』の発想なんです」と橋本さん。


続いてのワークショップでは、6~7名のグループの各人が、磯のイメージで有名なファミリー漫画のいずれかのキャラクターに扮し、
原作設定の30年後、母親役の“ミネさん”が介護を必要とする状況になった・・・という設定で、「さあ、どうするか」を話し合いました(役になりきるためにお面も付けます!)sun

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家族の面々も、育児や仕事、地域の活動など自分の生活があるなか、“ミネさん”の「これは続けたい」「大切にしたい」との想いを出来るだけ実現できるよう、
「週末なら手伝えるよ」とか「移動支援事業を使えるんじゃない?」などとアイディアを出し合います。

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※なお、定期的に開催されているマイケア・ワークショップ(フル・バージョン)の詳細は、こちらから⇒ http://www.mycareplan-net.com/
介護を考えるきっかけ作りとしても、とっても充実した内容なので、関心のある方はぜひ一度参加してみることをオススメしますsign01


プログラム後半のみんくるカフェでは、擬似家族が直面した悩みをふり返りつつ、お題ごとにワールド・カフェをやってみました。

今回のお題は、
one他者の存在を「込み」で自分の暮らしをデザインするには?
two「素人」と「専門家」が解け込み、良い関係を築くには?
three地域の中で介護を受けながら・しながら生活するには?・・・の3つpencil

参加者は、介護経験者や介護中の方、遠くないうちに自分が介護を必要になりそうという方から、まだ現実味をもって介護を考えられないな~という方まで、背景もいろいろ。

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「“迷惑”をかけたくない、恥ずかしいという気持ちから、介護が必要なことを隠してしまうかも・・・」という声を受けて、
clip「知られたくなくても、一人では“できない”時がくる」
clip「地域や周りの人に隠さず、“できない”と言うところから、いろいろ始まる」との意見あり。
また、
clip「近隣の人々や地域のお店に顔を知られていたから、認知症で介護が必要となってからも、その事を隠さずに、自由に徘徊できた」
との経験談もありましたhappy01

この「元気な時から、地域の人を知る・知ってもらう」は特別なことを必要としなくて、スーパーや散歩での何気ない会話などから、「馴染みの場所」が広がっていくので、そこの人達に「今後立ち寄るかも」とお知らせするだけでもいいんだよね、との話も聞かれました。

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加えて、
「介護の当事者になってから考えるのでは遅いと思っていても、誰に何を質問していいのかわからない」という意見についても、
clip「介護者の会などで、介護経験者に聞くといいかも」、
clip「普段から、医療者とフラットに会話できる関係を作って、かかりつけ医や医療コーディネーター的な人を育てる」、
clip「介護や街づくりのボランティアに関わることで、“される”という体験や、色々思ったとおりにはいかないという気づきを得られるかも」
といったアイディアが次々と出ていましたpencil

最後は、全国マイケアプラン・ネットワーク代表の島村さんの挨拶でフィナーレとなりました。

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開催日から数ヶ月。直前の国会で、地域医療と介護をめぐる法律も成立し、これからの介護もより厳しい部分も出てくるのでは・・・という今ですが、出来るかぎり、それぞれの「自分らしく生きる、老いる」を続けていきたいですね。

ご報告が大変遅くなってしまいましたが、参加されたみなさま、コラボしてくださった全国マイケアプラン・ネットワークのみなさま、読んでくださったみなさまも、ありがとうございましたsign03

(文責:まっつん)


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参加者の皆さんのアンケートから一部感想をご紹介します。

clip自分にとっては、社会も家族も自分を核とした環境で、自分を知ることがとても大事だと感じました。
clip医療も介護もまず自分はどうしたいのか?その上で自分の暮らしデザインを時々見直しながら、様々な人的資源を活かし合うことを心がけたいと思います。
clip家族の中の他の誰かの立場になって考えるって大事ですね。自分をオープンにしたくない、立ち入られたくないと思う人も多様な人の一人として受け入れることが重要だと思いました。
clip思っていても言えないことは、日常の中にあふれているんだと気がつきました(言えなくても思っていることは大切なのですが...)
clip皆つながりを大切なことだと思っていることが分かりました。ただそれが日常の中でうまく生かせない様子も見られ、私ごととしても反省しようと思いました。
clip老後をどんな風にデザインするか、引き続き具体的イメージをもって取り組めそうです。

2013年9月23日 (月)

第27回みんくるカフェ「患者と医療者のダイアローグ~患者のナラティブに学ぶ~」

こんにちは!みんくるプロデューススタッフのまみです。

9月23日に第27回みんくるカフェを開催しました!
今回のテーマは「患者と医療者のダイアローグ~患者のナラティブに学ぶ~」
NPO法人患者スピーカーバンク(KSB)さんとのコラボ企画で行いました。
downwardright患者スピーカーバンクHP:http://npoksb.org/

当日は、患者の立場から、医療者の立場から、また医療系学生という立場から15名の方にお集まりいただきました。
患者スピーカーバンクからは理事長の鈴木信行さん、そしてスタッフの栗本蕗さんも参加されました。
みんくるスタッフは4名。始まる前から会場は熱気に溢れていました!

今回は、患者という立場でご自分の経験をお話してくださる患者スピーカーバンクのお二人がスピーカーとしてスタンバイしています。ちょっと緊張の面持ちでした。

cherry「患者スピーカー」って・・・?と思われる方もいらっしゃると思います。
患者スピーカーとは、「患者・障がい者という立場から、一般市民、医療系学生、医療者に向けて、講演・講義を行う者をいいます。」(患者スピーカーバンクHPより引用)
患者さんは、病いとともに日常生活を送っています。これまでに辛い経験もあったでしょう。失ったものもあったかもしれません。しかし、それを乗り越えた人たちの中には、自分の経験を活かして、医療を良くしたい、社会に貢献したいという思いをもつ人が少なくないということです。
患者さんの語りは、教科書からは得られない大切なものを強い力をもって聴く者に与えてくれることがあります。とりわけ医療者にとって、患者さんの語りから貴重な気づきを得られる可能性があります。

cherryまた「ナラティブ」って・・・?と思われる方もいるかもしれませんね。
ナラティブとは「語り」「物語」という意味です。
最近では、医療現場においてもNBM(ナラティブ・ベイスド・メディスン)という言葉を耳にするようになりました。患者さんの語る物語に耳を傾け、病気だけに焦点を当てるのではなく、病いとともに生きる患者さんを全人的にとらえる視点がそこにはあります。


さぁ、参加者の皆さんが患者スピーカーバンクのお二人の語りに耳を傾けることからスタートです。

pencilまずは、香川由美さんが登場です。

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香川さんは、1型糖尿病を9歳のときに発症し、その後糖尿病とともに23年を過ごしてこられました。

1型糖尿病とは、生活習慣と関連する2型糖尿病とは違って、自己免疫疾患やウイルス感染により膵臓のβ細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌されなくなってしまう病気です。子どもの頃に発症する患者さんが多いと言われています。そして一生を通してインスリンを体内に注射することが必要となります。生きるということが、病いとともに人生を送るということに通ずる病気といえるかもしれません。
香川さんは自分のこれまでを振り返ったとき、主治医に対して、自分の殻に閉じこもるアルマジロ期、とげとげしく周囲にあたるハリネズミ期があったといいます。
思春期の頃は、それが顕著に現れていたようです。そんなことからも、血糖コントロールがうまくいかなくなったときもあったそうです。
今は、血糖コントロールの原理原則を理解した上で、どれだけ日常生活に溶け込ませて実践できるかが鍵を握っていると感じているそうです。23年経ってもなお、自分なりの方法を日々模索中です。
そのために、医療者の方からのアドバイスの蓄積(自分が何で困っているかを明確にして、必要な知識や情報を教えてもらうこと、教えてもらったことを理解して自分なりに実践すること、困った時にアドバイスを思い出して手を打つこと等)が大事だと考えているそうです。
そこで、今は診察の時間をより効果的に使えるように、報告や聞きたいことをメモして行っているそうです。

でも、何度もメモを持って行っているうちに、「私が伝えたいこと」と「主治医が知りたいこと」の優先順位が互いに違うんじゃないかということに気付いたそうです。
そんなことから、診察する上で主治医がどんな情報を必要としているかを尋ねて教えてもらったことで、用意するメモの内容も変わっていったのこと。
主治医も、メモを見渡して、自分が相談したいことのうち、看護師さんの方がより深く長く話せると思われる事柄は、別室で話せるように振り分けてくれるようになったそうです。
診察時間をより効果的に使えるようになって、今は毎月の受診が、ちょっと楽しみに。

この話は、もしかしたら糖尿病に限った話じゃないかもしれない、継続的な療養をする疾患の場合、診察メモを育てる感覚で対話を積み上げていくと、患者も医療者もより満足度の高いコミュニケーションができるのではないかなと考えているそうです。
香川さんの語りは、患者さんと医療者とのコミュニケーションを考える上で、非常に示唆深いものでした。


pencil続いては江本駿さんが登場です。

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江本さんは、周期性ACTH症候群という病気を7歳のときに発症したそうです。

聞きなれない病気です。江本さんも確定診断をいただくまで2年という月日がかかったそうです。
この病気は、元気なときと発作を起こすときが交互でやってくるそうです。
発作が起こるときは、まずなんか今日はおかしいなという感覚からはじまり、そのうち光がチカチカとしはじめるそうです。そしてものすごくお腹が痛くなり、それは爪を脇腹に立てられるようなすごい痛みだったそうです。
そして強い吐き気が起こり、1時間に5~6回吐き、何も吐くものがなくなっても吐き気は続き、それが9~10時間も続くそうです。そんなことから食道がひどく炎症を起こしてしまうそうです。やがて発作は、時間の経過とともに次第におさまっていき、しばらくするといつもの状態となっていくそうです。
発作の間欠期は7~14日。次に発作が来るのはいつなのか予想がつくために、発作が起こる日が近づくにつれて絶望的な気持ちになっていたそうです。
特に学校の行事と重なるな・・・と思うとすごくストレスがかかったそうです。

江本さんのご両親は、息子である江本さんのために必死に病気に関する情報を集め、同じ病気をもつ子どもの親御さんたちと積極的に情報交換していたそうです。
まさに病いとともに子ども時代を過ごした江本さん自身ですが、診察室での話はいつも医師と親との間で進んでいき、病気なのは自分であるはずなのに、いつも疎外感を感じていたそうです。
薬ががんの患者さんが飲むような吐き気止めであることがわかると、もしかしたら「やばい病気」なのかと思ったこともあったそうです。でも詳しいことは何もわからずに不安な思いばかりが強まったそうです。
でも、死なない病気であることがわかると積極的に病院に行くこともやめてしまったそうです。
江本さん自身の生活の中心の場は学校で、友達から病気のことを聞かれても自分はわからず答えられない・・・。そんなことから、学校では誤解されることも多かったそうです。

江本さんは、たとえ子どもであっても「当事者は子ども」という認識を周囲がもつことが大切なことだと参加者に語りました。子どもは知ることで不安が解消され、自分を守ることができる、と。
これは、江本さんがご自分の経験に基づいて語られたことだからこそ、とても重みのある言葉となっています。


pencilさあ、お二人のお話を聞いたあとはいよいよワールドカフェです!

今回は3つのテーマで対話を行いました。
one医療者-患者コミュニケーションを良くするために、それぞれの立場からできることは?
two患者のナラティブを医療現場に還元するためには?
three医療者と患者の間の“溝”は本当に超えられるのか?

患者という立場からのお二人の語りを聴いてからの対話ということで、お二人のお話がしっかりと心の中に残っている状態で皆さん対話を始められました。
お二人の語りから、参加者の皆さんにどのようなことを考えたのでしょうか。

対話の時間は15分×3。
参加者の皆さんは、4つのテーブルを自由に移動しながら対話を行いました。
ワールドカフェには、お話をしてくれた香川さん、江本さんも参加され、参加者の皆さんと一緒に対話を行いました。

さて、ワールドカフェが終わり、それぞれのテーブルのファシリテーターから各テーブルでどのような対話が行われたのか発表してもらいました。


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「医療者-患者コミュニケーションを良くするために、それぞれの立場からできることは?」

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clip患者側が求めていることは何?
・患者さんは自分のことを見てほしいという望む気持ちが大きいのではないか。
・アイコンタクトをしながら診察してほしい、自分の話に共感してほしい。
clipでは、医師側は果たしてその要望に応えることができる?
仕事がハードだし、時間的な制限、体力的にも厳しい・・・というのが実情。
患者さんを満足できること行うのは難しいのが現実。
clipでは、医師の代わりとなる医師と患者とのつなぎ役が必要?患者さんが話しやすい人って・・・?
・一番身近なのは看護師さん、病院ではそうじのおばさんも?
・関わりの時間が長い作業療法士さんもいい?
・ソーシャルワーカーさんは窓口となることもあるからわりと聞き出しやすいのでは?
clipでは、このつなぎ役の人たちは、どこで話を共有できる?
・カンファレンスは医学情報の交換会となっているから、患者さんの個々の情報が交換される場ではない。
・患者さんの思いは伝えられないのが現状。
clipではどうしたらカンファレンスをもっと充実させることができる?
・医師側の意識を変えさせることが必要なのではないか?
・やはり医学教育から変えていく必要があるのでは?


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「医療者と患者の間の“溝”は本当に超えられるのか?」

clipそもそも両者の間にある“溝”って何なのか?
・患者がアルマジロ状態やハリネズミ状態になるということは“溝”が原因となっているのかもしれない。
・医師から一方的に話す態度やパターナリズムな態度が“溝”の原因になるのではないか?
clipでも・・・溝はあってもいいのでは?
・医療に関わる仕事を社会の中の仕事のひとつと捉えたとき、専門職は医療にだけあるものではない。
・そう考えると医療者と患者との“溝”は必然であって、当たり前ともいえるのではないか?
clipでも“溝”を、治療を阻害する因子としてとらえたときには、それは解決すべき問題となるのでは?
clip医療者にとっては“溝”を感じる場面は少なく、患者のほうが“溝”を感じやすいのでは?
clip患者側からできるアプローチを考えてみるとどうだろうか?
・患者がプロの患者となり、お任せの態勢から主体性をもって動いていこうとすることが必要。
・患者と医療者を直線的に結ぶ関係だけにとらわれず、患者会を通して別の見方をするなど、アプローチの仕方を変えてみることが“溝”を越えるための一つの解となるかもしれない。

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「医療者-患者コミュニケーションを良くするために、それぞれの立場からできることは?」

clipツールを利用する
・診察時間が少ない中で、医師と患者間ですりあわせができるために交換ノートをつくる。
・糖尿病連携ノートをもっと親しみやすいものに。
・おくすり手帳を使って薬剤師さんと情報交換
・自前のノートを使って医師に伝えやすくする。
・iPad、Facebook→小中学生が病気になったときに、わかりやすく情報提供、病気を説明するためのツールとしても利用できる・・・
・冷静になれない患者さんにも利用できる。それを医療者に伝える。
・でも、高齢者には難しい!→face to faceのコミュニケーションの必要性
clipでは、face to faceでどのようなコミュニケーションができるのか?
・医師も一人の人間としての自分の弱みを見せて、自分も患者さんと一緒にがんばっているという態度を見せることも必要なのではないか?
・患者と医師との情報ニーズが違うことを知るための振り返りのアンケート。
・医師だけではできないことを他の医療者がカバーする。
・医師は診察室の中だけではなく、診察室の外でのコミュニケーションを大切にする。
・医師側が話しやすい環境づくりをすることがよりよいコミュニケーションには大切。そのためには、人と人との関わりの中で相手への思いやりを学ぶことが必要では?
→医学教育がやはり大切。


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「患者のナラティブを医療現場に還元するためには?」
患者はナラティブに興味があり、医師はエビデンスにしか興味がない、という現実があるのではないか?では、両者は寄り合えることができるのか?

clip患者が主治医任せとなっている現実がある。
・自分がどうしたいのかと考えていないのでは?病気の状態で自分のできること、やりたいことは治療法によっても変わってくるもの。それを医療者に向かって患者が発信する術がないのでは?
・いずれにしても、患者は生活の視点から関わってほしいことを望んでいる。
clip医師の中にも、最近ではナラティブに興味がある人もいる。
・患者が生活の視点を話せるきっかけを医師側から作っていくようにする。
・でも、医師の中でも患者の背景への関心については温度差があるのも事実。
clip患者と医師間にある視点の違いの壁を乗り越えるためには、ほかの医療者をうまく活用することがキーとなるのではないか?
・看護師や介護にかかわる職種など他職種との連携が大切なのでは?
・そのうえで、医師以外の職種の立場の保障が必要では?医師の許可がないと何もできないというのでは、なかなかできないことも多いのでは?責任委譲というものも必要なのではないか。

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対話のテーマは違っても、それぞれの対話が、同じ方向性をもって進んでいたような印象です。
医師だけではなく、他の医療職やまたそこに関わる様々な職種の人が、ひとりの患者さんに関わる上で、患者さんを生活するひとりの人間としてとらえる視点をもつことが重要といえそうです。
そして患者さん自身は、病いとともに自分がどのように生活をしたいのかということを考え、主体性をもって医療者と関わっていく姿勢が必要だといえそうです。


最後に、代表のそんそんからのコメントです。

「診察室の中だけで解決しようとすると限界があります。医師だけに期待するのにも限界があります。他職種を活用すること、病院の外の場について考えること、ツールを活用すること、そして教育について今後考えていかなければいけないことだと思いました。
今日、香川さんと江本さんのお二人のお話を聞く機会をもてたことは、一医療者としてとても勉強になりました。そして反省もしました。患者さんの語りは一発で医療従事者の姿勢や態度を変える力を持っています。こういう場はとても貴重なものだと思いました。」

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さぁ、これでみんくるカフェは終了です。
3時間という時間が、またもやあっという間に過ぎていきました。
参加してくださった皆さま、お疲れさまでした!そしてありがとうございました。
貴重なお話をしてくださった香川さん、江本さん、そして、この企画を一緒に考えてくださった患者スピーカーバンクの鈴木さん、栗本さん、ありがとうございました!

そして最後までブログを読んでくださった皆さまにも感謝です。
ありがとうございました!

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?

◎医師と患者をつなぐ他の医療職の存在が大きい。いわゆるコメディカルの発言をもっと拾う、役立てる意識づくりやシステムが必要。
◎医療者と患者はともに協力していくものなのだと言うこと。対立ではないこと。現状ではコミュニケーションがうまくいかない場合があるが、対策として、つなぎ役が必要だということ。
◎患者さんを1人の人として尊重し関わる姿勢が大切なんじゃないかと改めて思いました。
◎自分が「医療の側の人間」なんだとゆうことを、再確認しました。
◎医学生が多く参加されていた事に驚きました。“医学教育は変わった”と聞いていましたが、実際には患者の生活背景に関する情報等についての教育はまだまだである事がわかりました。しかし、それではいけないと学生のうちから気付き勉強会に参加している姿勢に感激しました。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

◎患者さん側の御意見を聞くことは、刃物をつきつけられているように感じることがあります。自分の姿勢を見直すのに、とても良い機会でした。
◎こういった場がとても大事だと再実感したことと、自分の専門性を活かしてどんなことができるのか一考する機会になりました。
◎より患者さんの文脈で考えることができるようになったと思います。
◎患者さんが何を話したいか、何に困っているか、どんな生活を送りたいか、対話できるきっかけを見逃さないように配慮したいです。
◎今後、医療従事者になるにあたり、患者さんとのコミュニケーションはもちろん、同じ職種の人や多機関の人とのコミュニケーションも大切にして、よい看護を提供できるように頑張りたいと思いました。
◎将来の医療を担う立場の方が、こういう熱心な考えを持っていることを知ったので、明るい気持ちになれたことが大きい。

2013年7月28日 (日)

第26回みんくるカフェ「こころの健康を考える〜マインドフルネスの視点から〜」

みなさん、こんにちはsun
みんくるプロデュース・スタッフの、まっつんです。

2013年7月28日開催の第26回みんくるカフェ
『こころの健康を考える ~マインドフルネスの視点から~』のご報告をさせていただきますsign01

当日は19名の参加者と、ゲストスピーカーとして精神科医の今村弥生さんにお集まりいただきました。

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今回のテーマにある「マインドフルネス」clover
このブログを読んでいただいている方は、聞いたことがあるでしょうか?

マインドフルネス認知療法は、認知行動療法の新しいかたち。
意識を身体感覚に集中させることで、こころのバランスをとってみよう~というものだそうです。

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普段、私たちは、外界からのさまざまな刺激を意識から切り離して生活しています(多くの場合)。
たとえば「朝、電車に乗って出かける」と決めたら、着替えた衣服のちょっとした違和感、
玄関のドアノブの感触、駅のエスカレーターの振動などは特に意識することなく、
“自動操縦モード”で動いていることが多いかと思います。
(もちろん、それらが一つ一つ気になりがちな時/人も多いです)

この自動操縦モード、認知行動療法でいう「Doing」の状態あることで、私たちの日常生活は
成り立っていたりするのですが、不安や憂うつな気持ちが募っている時は、状況認識が偏り、
更に気持ち落ち込む・・・ということもしばしば。
そこでマインドフルネスでは「いま・この瞬間に起きていること」の身体感覚に意識を集中させる、
つまり「Being」の状態に身を置くことで、認知の偏りに働きかけてみるそうです。

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当日のみんくるカフェでは、お試しマインドフルネスとして、参加者全員で、レーズンか
コーヒー豆を一粒ずつ、3分間かけて食べてsign01みました(私はレーズンでした)。
「3分間も、何をやるんだ?」という感じですが、導入のスピーチをしてくださった今村さんに
促されつつ、まずレーズンを一粒手に取り、じっくり眺め、香りを嗅ぎ・・・充分にレーズンと
知り合えたところで、ゆっくり口に入れ・・・またじっくり時間をかけて咀嚼、飲み込む・・・
という事をやってみました。

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普段、意識していないことに意識を向けるというのは、それだけで新鮮happy02
会場のあちこちからも、
good「おもしろい~」
good「こんなに時間をかけて“食べる”という事をやったことない」
という声が。

ちょっと不思議な「Being」の時間を経て、対話の時間へ。
今回もワールドカフェ方式で、「こころの病い/バランス」にまつわる3つのテーマで
話し合ってみました。

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pencil『こころの“病い”って、そもそもなんだ?』というテーマでは、その定義の多様さや
流動性に注目。
「都会では黙認されることでも、田舎では“変な人”扱いされたりする(その逆もあり)」
「時代によっても“病い”の意味合いが変わる」
など、“こころの病い”自体、明確に定義出来るものではないという意見が多かったようです。

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それでも、「“こころを病んでいる”と自分が人からそう言われると、怖い」という声もちらほら。
もしかしたら“病む”ことと同じくらい(あるいはそれ以上に)社会によるレッテル貼りが、
私たちの心に大きく作用しているのかもしれませんね。

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pencil『こころのバランスを保つためには、どうしたらいいだろう?』というテーマでは、
この問いかけと自体への疑問が多く出てきました。
「バランスを保つ、ってどういうこと? 一定にする、ということ?」
「自己管理が出来ている=責任ある大人、みたいな考え方が窮屈」
「理不尽なことが多い社会。社会に自分を合わせられず、ゆらゆらするのが自然では」・・・
などなど。

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pencil『市民と医療者が協力して、こころのケアをするためには?』というテーマでも、
「バランスを崩した人を(一方的に)ケアするのではなく、みんなが集って、何となく
ケアされる/ゆったり出来る場が地域に増えるといい」といった反応がありました。

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参加された方達の間では、「こころのバランスを崩すこと」が問題なのではなくて、
「崩せないこと」が“病い”なのでは、という捉え方が多かった様子で、
「要は、周りの人や社会が一緒にゆらゆら出来るかどうか。どうしたらそう出来るか」
という新たなテーマでのやり取りもありました。

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最後に、すてきなワークとお話をしてくださった今村さんより、結びのご挨拶。
「(こころの病い)は治すものではなく、治るのを待つもの」。

一緒に待てる、そして待つことが急かされない社会をつくっていきたいな、と思った一日でした。
今村さん、参加された皆さま、このブログを読んでくださった皆さま、ありがとうございましたcherry

(まっつん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip自分自身でdoing過剰だった=他者におしつけていなかったかと振り返ることができた。

clip自分はいつも過去のことを考えていることが多かったことに気づきました。
スパイラルにおちこまないように、自分にとって可能なbeingをできるようにしたいと思いました。

clipバランスを保たなくても良いんだと思った!

clip医療者、医療従事者、医学生等々の方々と、こういう風にフラットな場で色々と話したのは、はじめてかもしれない。

clip異なる立場の人と話すのはやっぱり少々ざわざわする。きっとこれは誰にとってもそうなんだろうと思う。

clipbeingの時間は(時間的、精神的にも)余裕を生み出すと思いました。
日常生活の中で、意図的にbeingの時間を作ることで、doingの時間も変わってくるのではないかと思います。

clip病院の中で薬物療法ばかりに接していたが、少し違った視点でみることができて診察に生かすことができそう。

clip他の方とお話すると、見方や考え方の違いや重なりから、自分のみえ方も変化するのがおもしろいと思いました。
初対面の方と集まるのが苦手であったりもするのですが、このような機会にも参加していきたいと思いました。

clip心のバランスをとるには、弱ったときに受け入れてもらう場も大切である。

2013年6月25日 (火)

第25回みんくるカフェ「大人の発達障がい〜"診断"ってなんだろう?」

みなさん、こんにちは。
みんくるプロデュース代表の孫です。

さる6月25日に、第25回みんくるカフェ「大人の発達障がい〜"診断"ってなんだろう?」を開催しました!

今回の場所はテーマにふさわしく、「大人の発達障がい当事者による、大人の発達障がい当事者のための」就労支援施設、オルタナティブスペースNecco内のNecco cafecafeにて開催しました。
*オルタナティブスペースNeccoのHP: http://neccocafe.com/

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今回のイベントは、みんくるプロデューススタッフのまっつんが企画・運営し、当日の全体ファシリテーションもしてくれました。

参加者は、看護師、管理栄養士、ケアマネージャー、歯科衛生士、精神保健福祉士、臨床心理士の卵さん、大学院生、大学生、当事者の方など11名でした。
またゲストスピーカーで話してくれた発達障がい当事者の方が4名、みんくるプロデューススタッフ4名を合わせ、総勢19名となりました。

今回の大テーマは「発達障がいにおける『診断』とは?」
大人になってから、発達障がいと診断されるということ〜その難しさや診断を受けてどうなるのか。診断にまつわる思いや疑問といったことを話そうという試みです。

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まずは、当事者の方によるスピーチです。

one1人目はADHD(注意欠陥・多動性障害)のKさんのお話。

基本知識として、発達障がいとは、先天的な要因によって主に乳児期から幼児期にかけてその特性が現れ始める発達遅延のことで、自閉症スペクトラムとADHD(注意欠陥・多動性障害)、学習障がいなどを含みます。また、自閉症スペクトラム(ASD: Autistic Spectrum Disorder)とは、(従来の)自閉症、高機能自閉症、アスペルガー障がい、特定不能の広汎性発達障がいなどのことを言います。
しかし、その線引きは大変難しく、Kさんは「1億2000万人すべてが、発達障がいと言えなくもない」と言います。

発達障がいの方には、感覚過敏(触覚過敏、聴覚過敏、嗅覚過敏、温覚過敏など)が伴うことが多いそうです。
また、発達障がいでは知的発達に遅れが認められないため、認知や行動上の特性が障害として気付かれない場合も多く、そのため「やる気がない」「努力が足りない」などと非難や叱責を多く受け、その結果、自信や意欲を失ったり、自己評価が低くなったりして、本来ならできることも困難になってしまうなどの二次的障害が生じることも。
二次的障害としての症状が、うつ病や統合失調症に間違われることも多いそうです。

平成23年に障害者自立支援法が改正され「発達障害が障害者の範囲に含まれる」ことが明記されたことの意味は大きく、このため様々な助成などを発達障がい者も受けることができるようになりました。
しかしながら発達障がいの診断は難しく、医師による診断能力の差のため、5カ所の病院に行くと5つの診断がつくこともあるそうです。
発達障がいの方は10〜20年という長期の「引きこもり」状態になっている人も多く、サービスを受けられない人も。医師とつながっていないと何も支援を受けられないとうい現状もあるそうです。

Kさん自身はADHDですが、子どもの頃から「グズ」「のろま」と言われて育って来て、自分の努力が足りないと思っていたとのこと。大人になってADHDと診断を受けたときは、すごく安心したそうです。


two2人目のKさんは、やはりADHDの方ですが、「片付けられない女たち」(サリ・ソルデン著)という本との出会いが転機だったそうです。そこには、まるで自分の頭を覗かれているのではないかと思うほど、自分そっくりの人物のことが描かれていたとのこと。
Kさんはその本を号泣しながら読んだそうです。
ADHDの診断がついたことで、Kさんは肩の荷が下りたように感じ、それまで低かった自己肯定感が上がっていったそうです。


three3人目のIさんは、特定不能の広汎性発達障がいの方です。
Iさんも小さい頃から「バイキン」などとイジメにあっていたそうです。
発達障がいの人は人と一緒に何かをすることが苦手だが、研究室などで集中して仕事をするのが得意なので「研究室ぼっち」と揶揄されることも。
小学校では、友達とは雑談ができないのに学級会のような場では結構意見が言えるので「生意気だ」と思われたりしたそうです。
診断に関しては、医師による確定診断がないと支援を受けられないけれども、発達障がいの診断ができる病院が限られているのが実状とのこと。
医療と福祉がもっと連携してほしいと望んでおられました。


four4人目のYさんは、アスペルガー障がいの方ですが、就職はできたのだけれど、できる仕事とできない仕事のムラが激しかったそうです。
会社の上司に「発達障がいかもしれない」と疑われ、その上司と一緒に病院に行ったところ、その日のうちに「アスペルガーです」と診断されたそうです。
子どもの頃からの違和感の正体はこれだったのか!と合点がいったのもつかの間、一緒に行ってくれた上司に「発達障がいだから給料下げても良いよね?」と言われたとのこと。
Yさんは「ハメられた!」と悔しかったそうです。
考えてみると幼少の頃からいろいろ思い当たることがあって、幼稚園のときは特定の子の絵を真似してしか絵が描けなかったり、おゆうぎ会で何をやってよいか分からず踊りが踊れなかったりしたそうです。
また相性が悪い先生が担任のときは友達ができなかったり、相性の悪い先生の前に行くと(無意識に)おもらしをしてしまって「この子はわざとやってる」と言われたりしたとのこと。中学のときにはイジメられていたが、高校に入ったら成績が学年トップになったことなど、さまざまなエピソードを語ってくれました。


以上、当事者の方々の話はどれも目からウロコが落ちるような話で、私たちがいかに偏見を持っていたかを感じさせられる内容でした。

一見、発達障がいと「診断」されることはスティグマを与えられるような感じがするが、診断によって安心することも多いし、また診断がつかないとサポートが受けられない。診断がつかないと、結局差別だけ残るのでは、という懸念もあるとのことでした。


後半は、当事者も参加者もスタッフも混じって「縁パブ」方式で対話を行いました!
各テーブルのテーマは
clip「障がいの線引きって何!?」
clip「生きづらさを感じている人をどのようにつなげる?」
clip「当事者のQOLを上げるためにはどうすればいい?」
clip「個別の支援をどのように進めて行くか?」
clip「『ふつう』って何だろう?」
などでした。

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clip「障がいの線引きって何!?」のテーブルでは、
・ まず「障がい」の規定を作る場に当事者が参加していない
・ 社会的には周りの人が困るかどうか、また当事者自身が苦しいかどうかが大事
・ 社会がもっと柔軟に受け入れてくれると良い
・ 障がいの線引きは個人差があって当たり前
・ 国や文化で線引きは変わるのではないか?
・ 日本は「同一性」を強いる社会(個別性を重視してほしい)
・ 最近、発達障がいの分類が変わり、軽度も重度も同じ分類になった(利点と欠点がある)
・ 実際に線引きで障害者手帳がもらえるか、障害年金がもらえるか、など支援を受けられるかどうかが変わってくる

などの意見が出ていました。

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clip「生きづらさを感じている人をどのようにつなげる?」のテーブルでは
・ 発達障がいを診断できる専門家が不足している
・ 診断も万能ではないため、診断してもらうかどうか迷ってしまう
・ 診断に振り回されないように「何に困っているか」に焦点を当てるべき
・ 気軽に相談できる場や人が増えてほしい
・ 医師による診断を受け手帳をもらった後に、どう福祉につなげるかが大事
・ 地域で障がい者の「たまり場」が必要(まさにNeccoのような場所)

clip「当事者のQOLを上げるためにはどうすればいい?」のテーブルでは、
・ 診断を受ける前と受けた後の周りの人によるケアが大事
・ 当事者による活動に理解を求めるためにはどうすれば?…第三者のサポートも大切
・ 当事者活動によって、自分1人ではない(あなたはあなた)という視点で認め合うことができる
・ 共感しあうことによって、自己肯定感も上がる

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clip「個別の支援をどのように進めていくか?」のテーブルでは、
・ 障がいや福祉の窓口がいろいろあるため混乱しやすい
・ 制度はあくまで手段と考えるべき
・ Neccoは全員当事者で運営しており、このようなオープンスペースが大事
・ 発達障がいの人は夜型人間が多いので行政では対応しにくい
・ 大学に通うのが苦手な障がい者も多いので「放送大学」に通うという選択肢も
・ 障がい者に対する教育は多様な選択肢があってほしい

clip「『ふつう』って何だろう?」のテーブルでは、
・ 「ふつう」の定義は時代によって変わる(社会にとって都合の良い人間を生み出す?)
・ カレーの中辛でも、ジャワカレーの中辛とバーモントカレーの中辛は違う
・ 日本は同質性を求める社会
・ 障がい者にとっては、ちょっとしたことで社会が怖いと思ってしまう
・ 引きこもると周囲に家族しかいないため、外に一歩出るのに勇気がいる

などの対話が交わされました。

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最後に参加者ひとりひとりが「明日から自分にできること」を発表して、今回のみんくるカフェはお開きを迎えました。
ちなみに私は「当事者の声を社会に届け、教育にいかす」と書かせて頂きました。

自分にとっては、発達障がいの方の生の声をじっくりと聞いたのは初めての経験であり、医療従事者であってもいかに無知であったかを思い知らされた会でした。
この場を借りて、会場を貸して下さったNeccoの皆様、また貴重なお話を話して頂いた当事者の方々に深く御礼申し上げます。

(そんそん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?
◎同一性を強いる社会が生み出す障がい、二次障がいに対するケアの重要性などを学びました。
◎診断を受けるということからの御本人の気持ちの変化、環境の変化を知りました。また発達障がいの方々の「QOL」を考えるという視点を得ました。
◎第三者への発達障がいの伝え方に気づきがありました。
◎生きづらさを感じている人へのサポート。医師へつなげることも大切だが、まずは相談しやすい場や人間関係も大切。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?
◎その人がその人らしく幸せに生きて行くために、思いを大切に患者と接して行きたい(看護師)
◎きちんと当事者を知る、という姿勢をいつも持ちたい。
◎今まで避けていた面もあったが、自分にもっと向き合って自分を知ろうと思った。
◎障がいの有無に関わらず、人の気持ちや困っていることを聴いて行きたい、向き合って行きたいと思いました。

2013年5月21日 (火)

第24回みんくるカフェ「家で看取るということ」

みなさん、こんにちはsign01
みんくるプロデュース・スタッフのじもくんです。
さる5月21日の夜、第24回みんくるカフェが開催されました!
今回のテーマは『家で看取るということ』clover

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現在、日本人の8割が病院で亡くなり、“在宅死”はわずか2割ほどと言われています。
超高齢化が進む中、国は「看取りの場所」を「病院」から「在宅」へと転換する政策を打ち出しています。

私たちは、もし家族を家で看取らなければならなくなったとき、その備えはできているでしょうか?
今回はそんな「身近に」起こりうるテーマを、みなさんと考えていけたらと思います。

さて、当日はスタッフ3名を含め総勢16名でみのりカフェに集合。
今回は全国マイケアプラン・ネットワーク代表の島村八重子さんをゲストスピーカーとしてお迎えしました。


島村さんは、自らも御家族の在宅看取り経験を持ち、「自己作成ケアプラン」の推進活動をされています。

まさにテーマにうってつけ!ということで、今回は島村さんご自身の体験をつぶさに語っていただきました。
簡単にですがご紹介します。

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ときは介護保険制度が始まる前の1996年。
まだ介護に関する支援体制が手探り状態の中で、島村さんは義父の介護を経験されました。
手元には介護の手引きどころか、介護の情報自体がありません。
島村さんは、「それなら私が発信すればいい」と考えられ(それが島村さんのスゴイところ!)、
ご自身の手で“介護をする上で困ったところ”や“介護のコツ”、“そのときの心境”などを
赤裸々に語ったミニコミ誌を作られたそうです。

今回はなんと、参考として当時の貴重な資料を見させていただきました。
その資料がとにかくスゴイ!の一言coldsweats02
資料自体に熱量があって、島村さんのエネルギーがビシビシ伝わってくる感じです(笑)
そして、何より貴重な情報の宝庫。
資料を発行順に読んでいくと、在宅介護の時々に島村さんがどんなことに困っていて、
どんなことを考えていたかが追えるようになっています。
もちろん、看取りに至る過程まで。

当時としては珍しくモデル的な行政のサービス、
近所の方や親戚の協力があり、在宅で看取ることができたとお話がありました。

しかしその一方、介護生活の中で義父の意思を本当に尊重できていたかと疑問を持たれたそうです。

そしてその疑問が、その後経験された義母の看取りに当たって
「ケアプランの自己作成」という手段を取ったこと、
そして現在の活動につながっていると、島村さんは語ってくださいました。

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ここでさらに、みんくるプロデュース代表のそんそんからも、短いプレゼンテーション。

家での看取りに備えるために、医療面の重要なポイント。
医療処置に関する「難しそうだから家族では絶対ムリ!」という誤解が
在宅での看取りを困難にしているのでは、と投げかけました。
例外もありますが、「すべて医療者に任せる」姿勢だと、
家に帰れる人まで病院に押し付けてしまうことも・・・

また、医師として、さらに自ら家族を在宅で看取った立場から、
“看取り”を“「いのちをつなぐ」大事な儀式”と表現
ここで参加者の数名が、深くうなずいておられました。

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それでは、3テーブルに分かれて対話の時間です。
ここまでの話を踏まえ、最初の問いかけは
pencil『なぜ在宅での看取りは、なかなか広まらないんだろう?』

それぞれのテーブルで、この問いかけをきっかけにテーマが作られ、対話が始まりました
白熱した対話の様子を以下に。

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テーブル①では、
「医療の専門知識がないので、自宅での身内の死を迎えるのが怖い」という話から、
『自宅で死を恐れないようにするには?』というテーマを設定。
さらに、在宅での看取りが“当たり前”となる関係性について対話を深めました。
大事なのは「知識を得るだけでなく、気持ちを共有すること」!!

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テーブル②では、
「在宅での死を迷惑と感じるからでは?」という視点を掘り下げて、
『なぜ在宅の死を“迷惑”と感じるんだろう?』というテーマに
そこから、気軽に・対等に相談できる場所・コミュニティの必要性について触れ、
(一方的な相談でなく)相互作用のある地域に根ざした場の提案がありました。

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テーブル③では、
「看取りについて関心が低い、そしてそれ以前に情報がない」という問題提起から、
『情報不足を解決していくには?』というテーマに展開しました。
「世代を超えて伝えていく」ために、“死”を連想する“看取り”という言葉を
タブー化しないというスタンスについて意見が上がっていました。

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興味深いのは、テーマが異なっても3テーブル全てで、
「看取りを考える上で“第三者”や“多様な立場の人”といった存在が必要」
という方向性が共通していたことです。

島村さんのスピーチで「つなぐ役・全体を見る人」の必要性の話がありましたが、
参加者のみなさん自身の言葉で置き換えられているんですね。

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締めくくりとして「明日から自分にできること!」について、

clip会社のプロジェクト会議で話す
clip明日の朝食を食べながら、今日話したことを家族に報告する
clipモヤモヤなので、私の中の答えを出す!!考える作業をする

といった発表がありました。

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白熱した対話も、あっという間に終わりの時間を迎えましたsun

今回対話のきっかけとなる素晴らしいスピーチをしてくださった島村さん、そんそんをはじめとして、素敵な時間を共有できた参加者のみなさん、本当にありがとうございました。

今回も人との出会いに感謝paper
引き続き、みんくるカフェをよろしくお願いします。

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追記)カフェが終わって解散!のはずがみのりカフェでそのまま二次会に突入した方たちも…(笑)

(じもくん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

pencil今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?
◎多様な立場の人々との対話はやっぱりおもしろい。
◎体験的なお話を伺えたことで、在宅の看取りが少しイメージできるようになりました。
◎参加者の方々のお話がそれぞれにおもしろく、視野が広がりました。
◎おしつけにならないようにする。

pencil今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?
◎まさしく、私が今やっていること、これからやろうとしていることに対して話ができて、とてもうれしかったです。ヒントとエネルギーをいただきました。
◎自分の住んでいる地域でも、同じ様なことをしたい。モチベーションが上がりました。
◎今は直接、死について考える機会は少ないのですが、ライフワークとして考えていきたいので学びになりました。
◎こういう場に積極的に参加して精進して、発信力も高めていきたいと思います。

2013年4月16日 (火)

第23回みんくるカフェ「医療コミュニケーションをどう学ぶ?どう教える?」

みなさま、こんにちはpaper
みんくるプロデュース・スタッフのまっつんです。

さる4月16日の夜、第23回みんくるカフェが開催されました!
今回のテーマは、『医療コミュニケーションをどう学ぶ? どう教える?』sign02

普段、診察室など医療の現場で取り交わされるさまざまなやり取り・・・。
その中で、もどかしさや傷付きを感じている方は、医療従事者・非医療者を問わず、
多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんなモヤモヤ感を参加者の皆さまに
持ち寄っていただきました。

当日は、15名の参加者とスタッフ4名で、久しぶりに「みのりカフェ」さんにて集合。
カフェオーナーののぶさん、細やかなお心遣いをありがとうございましたsign03

ドリンクを片手に自己紹介をし終えたところで、みんくるプロデュース代表のそんそんより、
医学教育におけるコミュニケーション教育の現状について短いプレゼンテーション。

医療現場のパターナリズムが問題視されて久しいですが、そんそんによると、医学教育でも
そのような構造的な関係性を見直す動きが広まっているようです。
たとえば、模擬患者(SP:simulated patient)による面談を重ねたり、研修医が録画ビデオで
自らの振り返りをしたり・・・。
患者と医師が共に治療方針を決定する「シェアード・ディシジョン・モデル」や、
医師から適切な情報を得つつ患者が自己決定する「インフォームド・ディシジョン・モデル」など、
幅広いコミュニケーションの在り方が模索されているようです。
(ちなみに参加者の方から、「看護学では、そういった教育は80年代から導入されているよ」
とのインプットもあり。この違いも興味深いですね~。)

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その話を受けて、患者講師もされているのぶさんより、医療者と患者双方が出来ること
について話していただきました。
医療の現場で普通に交わされる言語は、一般的には特殊で耳慣れない言葉も多いものですが、
例えば医師がその特殊性に気付かずにどんどん話してしまうと、医師としては情報提供した
つもりだけれど、患者には伝わっていない・・・という状況が生まれてしまう危険性もあります。

一方で、「患者も積極的に学んでいくべき」と のぶさん。
pencil「いま、皆さんは僕の話を聴きながらをメモを取っているでしょう? 同じように、
診察室にもノートを持ち込んで医師の話をメモに取り、わからないところはその場で
聞いたり後で調べたりすればいいと思うんです」
という指摘には、
pencil『今までメモを取ったことはないけれど・・・確かにbearing』と納得。
(でも、目の前でメモを取ると担当医を緊張させてしまったり、面倒くさがられたりしない
かなぁ~と気を揉んでしまう私もいますが。。。 次回トライしてみようと思います。)

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お二人のプレゼンテーションを踏まえて、いよいよ対話の時間にcafe
参加者の皆さんはランダムに3つのテーブルへ分かれ、そんそんより
pencil『医師はコミュニケーションが苦手。そんな医師にどうやってコミュニケーションを学んでもらったらいい?』
という最初の問いかけ(オープニング・クエスチョン)が投げかけられました。

今回は、みんくるプロデュースとのご縁の深いエンパブリックさんが提案されている
『縁パブ』スタイルでの対話cafe
clover『縁パブ』とは、事前に議題を決めて話し合うのではなく、最初の問いかけ(オープニング・
クエスチョン)を受けてグループ内で感想や疑問を出し合い、その場に居合わせた人同士で
テーマを決めて徐々に議論を深めていくという対話スタイルです。

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・・・ということで、3つのテーブルでどんな展開を見せるかは予測不能なのですが、
3グループともまず、
clip『私たちは、どんな“医療コミュニケーション”を求めているんだろう?』
というテーマを中心にやり取りが始まったようです。

対話の最初の段階で多く聞かれたのは、患者の立場で医療に接することの多い参加者からの、
「そもそも診察室/病院って緊張する」という声。
clip「患者と医師の間には情報格差があり、上下関係が築かれやすい」(グループA)
clip「医師が忙しそうだと、話しかけづらい・・・」(グループA)
clip「検査の数値だけで見られて、こちらを人として見てないなと感じる時がある」(グループB)
clip「患者が非常に緊張していることに、医師は意外と気付いていないのでは?」(グループC)
。。。などなど。

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それでは、診察室や病院など、もともと緊張を生みやすい特殊な環境で求められている
コミュニケーションとは、どのようなものだろう~とやり取りが続きました。
clip「職務質問的だったり、単なる情報収集ではないコミュニケーション」(グループC)
clip「医師の笑顔や思いやりのある声掛けがあると安心する」(グループC)
clip「診療時間が足りないとよく言われるけれど・・・プレッシャーを感じない
雰囲気であれば、5分のやり取りでも伝え合える」(グループA)

ここで確認されたことの一つは、医療現場でのコミュニケーションは、単に一方の安心感を
得るために求められているのではない
という事ですsign01
患者は、病気の治療や症状の緩和などのために、もっと言えばそれらを通じてその人の望む
生活を送られるようになるために、医療を必要としています。
そして、「より正確な診断を得たり、今後の方針を考えたりするうえで、患者の前後の生活を
医師に知ってもらう必要がある」(グループC)・・・
そのために、医療コミュニケーションは大切なんだ~といったやり取りも交わされましたsign01

また、だからこそ
clip「のぶさんの言うように、患者も医療コミュニケーションを医療者だけの課題にしてはダメかも」(グループB)
との意見もあり。キーワードは、双方向のようですねgood

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さて、前半の対話で生まれた新たな疑問について、後半の対話で深めていくことになりました。
後半の部で3グループ共通のテーマとなったのは、
pencil『どうやったらよいコミュニケーションを築けるだろうか?』
という問いのようです。
一巡して、そんそんのオープニング・クエスチョンが再考されたようで、
「よりよい医療コミュニケーションのために出来そうなこと~医師へのアプローチ版」
という事で下記のようなアイディアが出てきましたsign01

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clip「医師ー患者間コミュニケーションをより良くしたい」の動機付けを増やせるといいかも
⇒コミュニケーションに課題を抱えていても、人は自分がしている事は見えていないものなので、
「みんなに見える基準」があると、問題に気付くきっかけとなるのでは。
⇒たとえば病院内に、同僚の医療者(ピア)と患者などによる『ふりかえりチェックリスト』を
導入するのはどうか。
「ああいう場面ではこんなやり取りをしたかった」とか
「こういうアプローチをしたらうまくいった」などの声も拾えるかもしれない。

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clip医学教育について
⇒健康教室やインターンなどを通じて医療界以外の人たちと交じり合う機会を、もっと
増やせるといいのでは。
⇒米国やカナダの「メディカル・スクール」のように、一般の大学卒業生や社会人を対象にした
大学院が日本にも普及するといいのでは。

clip医学部の教育課程だけでなく、医師になってからも学ぶ機会が必要。
⇒「医療者自身の家族を相手にだったら、どう伝える?」を考える場があるといいかも。
⇒みんくるカフェのような対話の場も参加しやすいだろう。

色々なアイディアが挙がったところで、今回の対話も終わりの時間となりました。

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今回の対話では、医師ー患者間の場合が主に想定されましたが、医療者間のコミュニケーションや、
その他関係者も含めたさまざまな場面においても、本当にたくさんの課題があるんだろうなぁ
と思い当たるところがあり。。。 
医療コミュニケーションと一言で言っても、複雑で幅広いですね。

参加された皆さんも、日々の生活や仕事の中で何かしら引っかかる事があるからこそ、
今回のみんくるカフェに集まってくださったのだろうと思います。
対話の中でより想いが引き出されて、モヤモヤ感が募ってしまった場面もあったかと思いますが・・・bearing
引き続き、みんくるカフェでは医療にまつわる様々なテーマを取り上げたいと考えています。
皆さんの普段気になっていること・考えてみたいことを、また持ち寄っていただけたら嬉しいです。
どうもありがとうございましたsun

(まっつん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?

◎医療だけではなく、コミュニケーションそのものを考えるきっかけになりました。
◎医師に対してとても厳しい目があるということ。
◎答えはないけど、考えつづけることが大切と思います。重要なテーマです。
◎対等なよいコミュニケーションを取る事のむずかしさ。自分も患者としてやれる事がある。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

◎コミュニケーションは自明でないことを肝にめいじる。
◎あらためてコミュニケーションの大切さを頭にうかべながら患者と関わろうと思います。
医師たちがどのように患者とコミュニケーションをとっているのか観察したり、
医師の思いを聞いてみようかと思います(医療従事者)
◎患者スピーカーバンクの仕事受託に力を入れる。

2013年2月24日 (日)

第22回みんくるカフェ「今つづるエンディングノート」

こんにちは。
みんくるプロデュースのスタッフ、まみです。
2月24日(日)第22回みんくるカフェが開催されました。
今回のテーマは
book「今つづるエンディングノート」
みんくるカフェ死生学シリーズ第2弾です。

当日は、20代~60代まで、17名の幅広い年代の方にお集まりいただきました。
参加された方々のバックグラウンドも医療者、非医療者、学生さんと様々でした。

今回のテーマは、ご自分のこれまでを振り返り、ご自分のエンディングについて考えるというものです。
多くの方は、通常は死を意識することがほとんどない日常生活を送っています。
しかし、エンディングを意識するということは、よりよく生きるために大切なことではないか・・・、
というコンセプトから今回のテーマを決定しました。
今回は、ワールドカフェスタイルではなく、一人おひとりにエンディングノートの作成というワークを
していただき、そのワークをもとにグループで対話を行うというスタイルで進めました。

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pencil最初に、私のほうからエンディングノートに関するレクチャーをさせていただきました。
まずはエンディングノートを書く意味って何だろう?ということで、3つの意味があることをお話ししました。
それらは

one自分に万が一のことがあっても家族が困らない
two日常生活の備忘録
three大切な人へのメッセージ

というものです。そして、遺言状との違いをお話ししました。時々、同じものじゃないの?と
思われる方もいますが、遺言状とは、主に遺産相続の問題が起きないようと遺されるものです。
次に、自らの「死」について考えるうえでぜひ理解していただきたいと思い、1975年に起こった
アメリカでの尊厳死をめぐる議論についてお話し、さらにアドバンス・ディレクティブ(事前指示)
リビングウィルについてのお話をしました。

clover「アドバンス・ディレクティブ」とは将来判断能力がなくなった時のことを考えて、自らの望む
医療ついての意向を前もって示しておくことで、これを文書で示したものが「リビングウィル」
呼ばれます。
さらに、最近話題となった映画「エンディングノート」をご紹介しました。
ここでは、「終活」という言葉を取り上げて、自分の最期を自分らしく迎えるための活動について
映画の中の主人公のto do listの内容について皆さんと共有しました。

pencil続いて、エンディングを考えることは、高齢者だけに必要なこと?という視点から、22歳の女性が
主人公となった「死ぬまでのしたい10のこと」という映画をご紹介しました。
そして、最近では若い女性誌でもエンディングノートについて特集を組んでいることをお伝えし、
再度エンディングノートを書く意味について改めてお話しました。

エンディングノートを書く意味とは、最初に書いた3つに

four書くことでより生きることを考える。
「今をよりよく生きることを考える」ことを追加してお話しました。

改めてエンディングノートを書く4つの意味を考えたとき、「死」を考えることから「生」を考えると
いう死生学の考え方にとてもマッチしているように思います。
以上のような内容で、参加者の皆さんに15分ほどのお話をさせていただきました。

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pencilさて、レクチャー終了後は、実際にワークをしていただきました!
まず一つ目のワークは「ご自分のこれまでを振り返ってください」というものです。

ここでは「楽しかったこと」「達成感を得たこと」「悔しかったこと」「熱心に取り組んだこと」
「自慢したいこと」「思い出深い人との出会い」「大好きだった人との思い出」「大好きな映画」
「大好きな本」「大好きな言葉」
といった項目を皆さんに書いていただきました。
書きたいところから書いてくださいとお伝えし、気ままに自由に書いていただきました。
みんくるカフェ開催日の2日前に参加者の方々にはこのワークブックをお送りしていたことから、
すでに書き込んでから参加された方もいらっしゃいました。

cafe10分間ワークをしていただいた後は、グループでの対話の時間に移ります。
対話の時間では、ご自分の話したいことだけを話していただければよく、その内容について強要する
ものではないことを、ワークブックの表紙にも記入してお伝えしました。
対話では、家族とともに過ごした楽しい思い出や、お子さんの成長を見守ることの楽しさが語られました。
また、仕事で成果を上げたことが達成感を得られたこととして語られたり、家族の死を体験された方
からはその悲しみが語られたりしました。

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pencil続いてワーク2です。
様々な方々と対話をしていただきたいという目的から、ワーク2の前に席替えを行いました。
ここでは「ご自分のエンディングについて考えてください」というテーマでワークをしていただきました。

clover「大切な誰かに必ず伝えておきたいと思うことはどのようなことですか?」
clover「身の回りのことを自分でできなくなったとき、誰にそのお世話をお願いしたいと思いますか?」
clover「命にかかわるような重大な病気となったとき、そのことについて知りたいですか?
 また、どのようなことを知りたいと思い、どのようなことは知りたくないと思いますか?」
clover「延命治療についてどのように考えますか?」
clover「もしも、自分の意思をきちんと伝えることができないような状態になり、自分にかわって
 他の誰かが判断しなければならにとき、誰の意見を尊重して欲しいですか?」
clover「どのような場所で、誰と一緒に最期の時を過ごしたいと思いますか?」
clover「命を終える時が来たとき、どのようなことを考えていたいと思いますか?」
と、シビアとも捉えられる現実的なこと、さらには自分のエンディングについての想いを書いていただきました。

cafeワークの後の対話では、延命治療をどうするかということを考える上での難しさについても
語られました。
それは、人はひとりでは生きているのではなく、周囲の人とともに生きているということから、
家族のことも考えていかなければという思いが重なっているようでした。
自分自身の別れの準備をする大切さ、さらに残される家族への想いは強いようです。
また自分の命に関わるようなことはしっかりと知りたいという方も多く、でもそこにはきちんとした
情報も必要だと思うということも語られました。

cafe再度席替えを行い、最後のワーク、対話へと続きます。
最後のワークは
「これまでのワーク、対話を通して、生きている『今』について考えてください」というものです。

自分は、どのような生き方をしたいのか、どのようなことを目標として生きるのか?
日常生活の中で大切にしていきたいことは何か?自分にとって大切な人は誰なのか?などを考え、
「どのように今を生きるのか」ということを具体的に5つ書いていただきました。

cherry最後の参加者の方々にとって、今を生きることを改めて考えることにつながったようでした。
それは、家族との過ごし方だったり、仕事への意欲だったり、地域の中での自分の役割のことであったり・・・。
お一人おひとりがそれぞれの立場から考えていらっしゃいました。

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paperさぁ、3つのワークと対話が終了し、本日のみんくるカフェもお開きとなります。
最後に、みんくるスタッフがファシリテーターとして担当したグループでの対話の内容をお伝えし、
参加者全員で共有しました。
今日もあっという間の3時間でした。
本日のワークと対話が、参加者の方々が自分にとって大切なことは何なのか?大切な人は誰なのか?
ということを改めて考え、そしてできれば考えたくはない自分の「死」について一度自分の思考の中に
呼び寄せ、そして「今を生きる自分」についてより深く考えもらう時間となっていたとしたら
とてもうれしく思います。

今回参加してくださった皆さん、ご参加いただきありがとうございました!
そして、このブログを読んでくださった皆さんにも感謝いたします。

(まみ)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?

 自分の周囲と自分との幸せが大事な事に改めて気づきました。
 エンディングを考えることが、自分の今や、過去を考えることになるということが、とても新鮮な気付きになりました。
 「死」ということを通して、何が大切か、自分が今幸せか、生きることについて深く考えることにつながるのだと思いました。
 身体的苦痛を除くほかに、最期はよりスピリチュアルなケアが必要と感じた。セラピスト、宗教の助けは必要かも。
 エンディングノートの内容を、自分の主治医と話し合っておく、という点をまだ考えていませんでした。私の主治医はどなた?! という大きな課題があります。
 いろいろな年齢層の方が、いろいろな窓口から考えていらっしゃることがわかりました。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

 終末期医療の中で関わることが多いが、色々な考え方があるんだな、と感じることができた。
 患者さんに死生観などを相談するときに、何を心配しているのかを知る必要がある。
 人との関わり、仕事への思いなどより一層、素直に向き合おうと思いました。
 自分を愛せるように、家族の為にも我ままに生きる。自分の事を割り切って考えることがあるので、深く考えてゆきたい。
 俄かではあるが、これ迄を降り返されて気持ちが軽くなれた。
 普段から、家族とエンディングについて話し合う機会をつくるのも大切。
 やれることを、やれる時にやって、毎日楽しく悔いなく生きればいつ死んでも幸せです。

2012年11月 3日 (土)

第21回みんくるカフェ「LGBTの視点を通して医療と健康について考えよう」

こんにちは!みんくるプロデュース、スタッフのぱぱいやとまっつんですmoon1

11月3日(土)文化の日に、第21回みんくるカフェが開催されました。

今回のテーマはpencil「LGBTの視点を通して医療と健康について考えよう」です。

「LGBT」とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のこと。今回のカフェでは、LGBTを含む多彩な性に思いをめぐらしつつ、より多くの人の健康のために医療の現場でどのような工夫が出来るかを話し合いました。

当日の参加者は14名+スタッフ8名。長崎から参加の高校生、医学生、医療者、非医療者、お子様連れのお母さん等、様々なバックグラウンドを持った方が参加して下さいました。ありがとうございます!

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最初にまっつんより、今回のカフェを行う上で「みんなが安心してじっくり話せる場を一緒に作る」ための前提となるグラウンドルールを確認しました。

                <グラウンドルール>(*)
・年齢や性別など、人に話したくないことは自分の中で大切にしてください。
 また、個人的な情報を開示しない選択をお互いに尊重しましょう。
・今日ここで見聞きする、参加者の個人的な情報は、ここに置いて帰りましょう。

(*グラウンドルール・・・ミーティング、ディスカッション等を行う際に設定するルール)

ルール確認後、今回のスピーカーのおーつきさんによる、性の多様性のお話から対話がスタート。
生物学上の性別(身体の性)、自身が自認する性別(心の性)、そして性愛の対象(性指向)という三つの視点で性の在り方について考えてみました。

「性」というと一般的には、「女性か男性か」「女性は男性を好きになり、男性は女性を好きになる」というわかり易く、限定的な分け方をされがち。けれど丁寧に見渡せば、身体の性と、「自分はこういう性別だ」と自認する性が一致しない場合もありますし、自分の性別をどう表現したらよいかで揺れ動く場合もあります。また、性愛の対象が幅広い人もいれば、コンパクトな人、あるいは特定の性愛の対象を持たない人などもいます。

性と一言で言っても、実はとっても広がりのある、時に流動的で捉えづらいものなんだなぁ…という気づきを得られました。

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おーつきさんのお話で特に印象深かった一つは、LGBT界でよく使われる表現でもある「カミングアウト」と「アウティング」のこと。
カミングアウト (coming out)・・・当事者が自分の性自認や性指向などを周囲に公表すること。
アウティング (outing)・・・当事者でない人が、その人の性自認や性指向などを周囲に公表すること。

個人的な話ですが、以前ぱぱいやの知り合いでも、その人自身がカミングアウトする前に、他の人に自分の性指向を公表されてしまって、嫌な思いをした人がいました。おーつきさんも、カミングアウトするかは個人の選択だけど、他の人が勝手に公表してしまうことのないよう注意が大切と言っていました。個人の性指向等の在り方は、とてもプライベートなもの。以前嫌な思いをした私の知り合いも、アウティングをされたことが嫌だったのだということを、改めて理解しました。

また、日本では実際、カミングアウトしたいけど出来ないLGBTの人達も多く、「言えない」ために嘘をつき続けているような気持ちにもなってしまい、他者との人間関係を築く上で障壁となる場合もあるというお話もありました。
自分の性を誰にどう伝えるかは、アイデンティティーにも関わる、とてもセンシティブな問題。カミングアウトしたくても様々な事情でそれが出来ないという辛さを、二つの言葉が表現していると感じました。

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複数の調査によると、日本でも人口の少なくとも数パーセントの人々はLGBTを自認しているという結果が出ているそうです。

毎日の暮らしの中で、LGBTの人が直面しやすい困りごとには、どのようなものがあるでしょうか。ワールドカフェ形式で4つのグループに分かれて話し合いました。

今回の対話のテーマは2つ。
clip対話① 仕事や学校、個人的な人間関係などでLGBTの人が経験する困りごとの原因には、どのようなものがあると思いますか?

普段なかなか考える機会も少なく、知り合いにも全くLGBTの人がいないという参加者も多く、始めはなかなか考えが浮かばない方もいましたが、学校、職場、について改めて考えてみると色々なことが見えてきたようで、様々な意見が出てきました。

■社会は何でもカテゴライズしたがる。会社や学校では、更衣室やトイレなど、男子、女子と当然のように2つに分かれていて、それ以外の人たちについて考える機会がない。
■メディアが作り出すイメージには大きな影響力がある。マンガやテレビ等では、セクシュアル・マイノリティの人を性に奔放なイメージで語ろうとする。偏見がそこで生まれてしまう。
■職場では、上司と部下というパワーバランスも影響して、上司から「いい人を紹介してあげるよ」と言われても、パートナーがいる又は異性に興味がない等、本当のことを言えず断りにくく、困っているのではないか。
■社会の認識の狭さが様々な局面で息苦しさを生んでいるのではないか。友達と話しているときに「彼氏いる?」とヘテロセクシュアル(異性愛)を前提とした質問をされるときなど。


対話グループからの発表を受けて、おーつきさんより、ことば自体が含む思い込みや先入観、その影響力の強さについてお話がありました。

日本はよく「単一民族」と称されるが、本当にそうなのか。同様に「性別二元論」「紅白歌合戦」など、私たちは知らないうちにこういったカテゴリーや“ことば”を、毎日の生活の中で疑いもなく受け入れてはいないか。また、当たり前に使われている“ことば”が、固定観念や偏見を生み出しているのではないか。

日々メディアや会話の中に溢れている一つ一つの“ことば”が持つ意味や、その前提の考え方について、改めて考えるきっかけとなりました。

その、日常生活での思い込みや固定観念に関して、ある小学校一年生のクラスでの興味深いエピソードもシェアしていただきましたchick

夏の出来事ですが、熱中症予防のため児童に水筒を持ってくることが義務付けられ、水筒の置き場所として、担当の先生が教室内に2つの段ボール箱を用意したそうです。すると、事前に何も伝えていなかったにも関わらず、気づいたら箱の中の水筒はきれいに男女別に分かれていたとのこと。

そこで、先生が段ボールを3つに増やしたところ、次の休み時間には、水筒は性別に関係なくバラバラに置かれたそうです。

このエピソードを聞いて、“性別二元論”という思い込みが私たちの意識に小さいうちから深く刻みこまれているのだなぁと思いつつ、ちょっとした発想の転換で、その思い込みもひっくり返るものだという事に思い至りました。


次に、もう一歩踏み込んだテーマで話し合ってみました。
clip対話② 医療の現場では、LGBTの人にはどのような困りごとがあるでしょうか。また、それらに対して、あなたは何ができると思いますか?

hospitalたとえば病院に行くと、当たり前のように明記されている、問診票の「男女」の性別欄。その表記に違和感を抱く人もいることに改めて気づき、なぜその欄は必要なのか、どのような表記方法であれば、抵抗感なく必要な情報を伝え、適切な診療へとつながることができるのか・・・等と考えていくにつれて、議論も徐々に深まっていきました。

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(↑クリックすると拡大画像が御覧になれます)

■困りごと:婦人科、泌尿器科、肛門科などは、誰にとっても行きづらい診療科であるが、性自認に違和感があると、余計に受診しづらいのではないか。
★出来ること:待合室に「困りごとはないですか」という張り紙を貼ったり、相談窓口を作ったりするといいのではないか。

★出来ること:LGBT患者専門の医師がいるクリニックを作る/増やす。また、専門医制度のように、医師にセクシュアル・マイノリティに関する研修を受けてもらい、資格をとってもらうことで、LGBTの患者さんが行きやすい病院を増やしていく。

■困りごと:今の日本の法律では、パートナーが急な病気で倒れて入院したり、手術が必要となった場合も、血縁者でない同性パートナーは、面会の権利や治療方針の決定権を認められず、面会、延命、臓器提供など、医療現場での意思決定の際に、法的なパートナーとして関われないことがある。ひどい場合は(法的に認められた)家族のみが面会できて、パートナーは病室の外で待たされ患者に会えないこともある。

★出来ること:医療の現場で色々な問題を感じていても、LGBTの当事者自身がカミングアウトして問題を解決するのは難しい。そこで、当事者の方の想いを代弁するアドボケートの存在が重要になる。今後医療者として、現場においても当事者の代弁者となっていきたい。更に、医学生のうちからセクシュアル・マイノリティについて考える機会を増やせるよう、医学教育を変えていきたい。

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(↑クリックすると拡大画像が御覧になれます)

今回のみんくるカフェも、あっという間の3時間!普段当たり前に思っていることでも、それを窮屈に感じている人達もいるのだということ知りました。そして、「いま、ここにいない人、社会的に見えづらい存在にさせられている人」たちの視点を借りて、言語化し、深く掘り下げて対話していくことで、自分たちの「当たり前」について改めて見つめなおす貴重な時間となりました。

LGBTなどセクシュアル・マイノリティの人が窮屈に感じる事は、実はマジョリティ(多数派)、マイノリティに関係なく、より多くの人達の生きづらさにつながる事であり、逆にみんなにとって生きやすい社会とは何だろうと、改めて考えるきっかけとなりました。違和感や生きづらさについて、それぞれが話し合い聴き合える場がもっと増えれば、よりよい社会になっていくのではないかと思いした。

おーつきさん、参加者の皆様、そして今回参加できなかった皆様、ブログを読んで下さった皆様、どうもありがとうございました!

(ぱぱいや&まっつん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

最後に、当日参加された皆さんの声をいくつかご紹介します(アンケートより)。

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?

●自分の分野に偏った考え方をしていた事、当事者の方の視点が想像していなかった場面からであった事、想像以上に自分の視野が狭い事に気付きました。

●LGBTについてまったく知らなかったが、今回参加して、LGBTについてどんな問題があるのかを知るとともに、その対策、また、マジョリティに対する対策にもつながることを知ることが出来た。3つの箱の話は衝撃的だった。

●ほとんど知識のない方達とも、話せば伝わるんだというのが大きな気付きでした。

●偏見やスティグマは、知らず知らず自分の中にもあったという気付きです。声にしたくても声にならない、できない声をどうしたら看護者側として社会に発信し、還元できるかということを常に考え続けたいと思いました。

●おーつきさんの数々のエピソードに、自分一人が感じているのではないのだと思い、うれしかったです。

clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

●私自身にはこれまで縁がなかった話だけど、ちゃんと発信する役割を担いたいと思いました。

●知人にLGBTも多いので、彼ら彼女らに今回の話を教えたい。

●できるだけ、人々にカミングアウトして生きていきたいと、おーつきさんのお話を聞いていて思いました。

●自分のしている活動でもLGBTについて扱ってみたいと思います。「マイノリティに光を当てることで皆がしあわせな社会となる」ということを胸に刻みます。

●様々な形で、自分自身が動いていこうという勇気をいただきました。


皆様、アンケートへのご協力、どうもありがとうございました!

2012年10月14日 (日)

第20回みんくるカフェ 「生と死について対話しよう−死生学という視点−」

皆さん、こんにちは!
みんくるプロデュース、スタッフのまみです。

10月14日(日)、第20回みんくるカフェが開催されました。
今回のタイトルは
pencil「生と死について対話しよう-死生学という視点-」です。

当日は30名の方が参加されました。ありがとうございます!

今回はまず「死生学」という学問について
「死生学」の学びのはじまり、日本における「死生学」の位置づけ、なぜ「死生学」を
学ぶ必要があるのか、といった内容について、死生学を学んでいる社会人大学院生である
私(まみ)から簡単なレクチャーを行いました。
死生学とは、『人はかならず死ぬ、では、死ぬまでどのように生きるか・・・。
「死」から「生」をとらえることから見えてくる「いのち」に関する問題を、
様々な側面から深く考える』学問
です。

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15分ほどのレクチャーのあと、対話を前に参加者全員でDVDの鑑賞です。
このDVDは、NHKクローズアップ現代「ある少女の選択~“延命”生と死のはざまで~」
の録画で、18歳の華子ちゃんという少女が登場します。
彼女は、8歳で心臓移植手術を受け、15歳の時に背骨が曲がる病気のため人工呼吸器を
装着して声を失いました。そして18歳になったとき、腎不全を発症しました。
透析治療を受ければ体が楽になるよ、と言われながらも

「これまでたくさんの医療を受けてきた。もうこれ以上の延命は望まない。」

と、華子ちゃんは透析治療を受けない決断をし、大好きなおうちで家族と一緒にふつうの
生活を送ることを希望します。
「死ぬのは怖くない?」という質問には、「天国はお疲れさまの場所だから。」
華子ちゃんはホワイトボードに書き込み答えます。
参加者の皆さんは、本当に、様々なことを皆さん考えられたようでした。

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DVD鑑賞の後、第1回目の対話です。対話のテーマは、3つです。
oneあなたは、誰に一番共感しましたか?
twoあなたは、その人のどの言葉が印象に残りましたか?
threeなぜその言葉が印象に残ったのですか?

延命治療はしないという華子ちゃんの決断を認めながらも、どうしても親としての
気持ちを抑えきれず「死んだらおしまいだよ。生きていたらきっといいことあるよ。」
と言葉をかけるお父さん。「華子が一番よくわかっているわよ。」と華子ちゃんの意思を
尊重するお母さん。
そして「もしもおまえの気持ちは何だ?と聞かれたら、迷わず生きて欲しい。
でも、これは自分の価値観。ご家族で話し合ってください。」
と主治医。
それぞれの言葉に込められた思いを受け止め、そして、自分の置かれている立場と
だぶらせながら、参加者の皆さんは、思い思いに登場した人々に共感をしていたようです。
お子さんがいる方は、子どもに先立たれる親の気持ちが痛いほどよくわかるのか、
お父さんの言葉に共感する方もいます。また。苦しい思いもたくさんしたであろう
華子ちゃんの気持ちに共感する方もいます。
もちろん、誰に共感することが正しく、誰に共感することが間違っているということも
ありません。「考える」という時間がとても大切なのではないでしょうか。

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参加者の中には、日々のお仕事での業務において死に関わる方もいれば、
日常生活においては死とほとんど関わらない方もいらっしゃいます。
それぞれの参加者の皆さんの日常生活における経験は様々ですが、やはり、
「ひとりの人間としてどう考えるか」ということに尽きるようでした。

続いて、第1回目では同じグループではなかった方と対話をできるよう席替えです!

第2回目の対話のテーマは、
oneあなたが限られた命だと告げられた時、あなたはどのようにしたいと思いますか?
twoあなたの大切な人が限られた命だと告げられた時、あなたはどのようにしたいと思いますか?

DVDを一緒に鑑賞し、華子ちゃん、そしてご家族の思いを受け止め、そして考えた後の対話です。
そんなことからも、自分ならこうしたい・・でも、大切な人ならどうするだろうか・・・。
思いは様々です。限られた時間の中でも、大切な人とじっくりと対話をして決めたいという思い、
子供ならできるだけのことをしてあげたいという思い、大切な人には苦しい思いはさせたくない
という思い・・。
普段は口に出すことがあまりないテーマですが、皆さん日々いろいろなことを考えられて
いるようで、それを言葉に出して対話を行うことにより、いろいろな立場に立つ人々だから
こその、活発な幅広い意見交換が行われました。

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そして、最後の対話の時間です。
じっくりと対話を進めるため、同じグループのまま3回目の対話の時間に入りました。

テーマは、
pencil「死をとりこみ、生を考えるというのは、あなたにとってどのような生き方をすることですか?」

このテーマを皆さんに紹介したところ、難しい・・・という印象を持たれたようです。
対話の時間が始まったはじめの数分間は、どのグループからも話声があまり聞こえてきません。
どのような切り口から話を話していいのか、少し悩まれていた様子です。
しかし、時間の経過とともに、徐々に話し声が聞こえ始め、次第にどのテーブルからも
活発に対話されている様子がうかがえました。どんどん皆さんの声のトーンが上がってくる
のがわかりました。

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最後に、各グループの代表者の方に、対話のまとめを発表していただきました。

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●自分の中に哲学やゆるぎない信条を持てればいいのではないか。
これをもって自分は生きていく。そうすれば、生きる指針がもてる。
●便利さと引き換えに何かを失っているのではないだろうか。
魚を殺して食べ、生きるというように、昔の人にとってのほうが死は身近にあった。
死は、今の時代、決して身近ではない。死を身近に感じることがよりよく生きていく
ことにつながっていくのではないか。

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bananaグループ2
●死を前向きに考える必要がある。突然来るからわからなくなる。
普段から死ぬこと生きることを考えていく必要がある。
●たとえば、死にはお墓のイメージがつきまとい怖いイメージが湧いてしまう。
でも、そこには大切なご先祖さんが眠る場所であるはず。
暖かい気持ちでお墓参りをすることからも、死への気持ちも変わるのでは。

10代の方がグループを代表して発表されているその姿から、様々な年代、そして異なった
立場からの対話の場は、いろいろな刺激を互いに与えあう貴重な機会のように感じました。

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cherryグループ3
●死ぬときに後悔しないように、やり残したことがないようにするためにはどうしたら
いいのかと考えた。そのためには、「伝える」ということが大切なのではないか。
多くの人と出会い、そして感謝する。感謝することにより関係性も変わる。
そして他者との対話だけではなく、自分との対話を行い、自分の声を聴くことも大切。
伝えることでできなくなる日がいつの日か来るということを理解する。
●好奇心を持つこと。気づきも大切。そこには学びがある。

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baseballグループ4
●死について考えるきっかけは身内の「死」。
●死について考える機会は日常ではあまりない。ただ、大切な人を失った後にでも、
考えられる機会はある。「死」を重くとらえずに、カジュアルに考えることが
大切なのではないか。ひとりひとりが考える場を持ち、考え続けることが大切。

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soccerグループ5
●死を考えるのは、身近な人の死だったり、高齢者の死だったりする。
それは自分の死ではない。自分の死を考えるのは、余命を宣告されるような命に
関わるような病気になったとき。でもそれでは遅い。
●時間を大切にして、大切なことをしっかりと軸として生きていくことが大切ではないか。
●死の話をタブー化させず、普段の会話の中でもドナーカードのこととか、人工呼吸器に
ついて自分ならどうするかなどを、自分の死についても積極的に話していくことが
必要なのではないか。

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basketballグループ6
●体験談の中から対話をした。身近な人が病気になったりけがをしたりという体験は
非常に辛かった。普段はできる当たり前のことでも、少しずつできるようになったとき、
達成感がある。自分が辛い状態になったときのことも考えて生きていくことが大切。
●今を犠牲にして生きている人がいる。でも、3.11を経験した今、今を精一杯生きる
ことが大切なのだと思う。

すべてのグループの発表が終了しました。

私から、最後に少しだけメッセージをお伝えさせていただきました。

pencil『「死」について、普段の生活の中ではなかなか考える機会もないかと思います。
でも、今回の対話から出てきた皆さんの意見をまとめてみると、普段から、日常的に
決してタブー化させずに、「死」について語る場が必要なのだと思います。
そして、「死」を意識することにより、より充実した「生」への意識が芽生えるのでは
ないかと思います。
参加された方々は、これからは、ぜひ自宅で、そして職場で、自分と関わりのある方たちと、
「生と死」について考える対話の時間を作ってもらえればと思います。』

さぁ、本日のみんくるカフェもここで終了です!
3時間という長い時間、皆さまお疲れさまでした!
参加された方々にとって、今回のみんくるカフェが、何らかの気づきの場、少しでも何か
を得る機会となっていただいていたのなら幸いです。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!

(まみ)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

clip今回参加して、印象に残ったことや新たな気づきは何ですか?

●立場が異なる人との対話を通して、多様的な視点や価値観を得ることができました。
自分の視点だけでは、決められないテーマであると改めて気づきました。
●「死を前向きに考える」という言葉が印象的でした。「伝える」ことの大切さ、
日々考え、向き合うことについて考えさせられた1日でした。
●自分が思ったよりも「自分の死」について考えていないことに気が付きました。
●生も死もつながりがあってこそのもの。1人では生きられないのと同じように、
1人では死ねないんだなと実感しました。
●死生観について考えるということは、人にとって門戸(入口)が違うということに気づいた。
考える、感じる場を増やすこと、重く捉えすぎない環境づくりが必要。
●自分の年代、家族構成により、死生観は日々変化するだろう。後悔しないために、
伝えたいことがある人に伝え、発信したいことを発信する必要がある。
患者本人と家族の意見の異なる場合、伝えたいことをストレートに口に出して話す必要もある。
●”死生観”というと、”死>生”を考えるという勝手なイメージがありましたが、
今日は「”生きる”ということは何だろう」ということをよく考えられました。


clip今回の参加は、今後のあなたの活動・お仕事にどんな影響を与えそうですか?

●答えが出なくとも考えるというプロセスが大事。自分だけでなく、他者理解につながると思う。
●家族とオープンに話あってみたいと思いました。
●死に向かう人々に、どのように寄り添っていくかについて、考えていくきっかけになったと思います。
●当事者だけでなく、取り囲んでいる周りの人との関係性も視野に入れていきたい。
活動ではないですが、お墓参り、法事は大切にします!
●患者と関わるときに、死をタブー視せずにいたいと思いました。
●出会いの大切さの再認識。家族ともっと「生」や「死」について伝え語ることが大事だと思います。
●「死」がより身近になりました。これからは、タブー視せずに考えていけそうです。
●死という言葉はタブーなことで、言うに言えないことも多々ありますが、もっとフランクに
話していく必要があると強く感じました。
その場を作れる会話力を身につけなきゃと強く思いました。

アンケートにご協力いただいたすべての皆さまに感謝します。本当にありがとうございました!

2012年9月21日 (金)

第19回みんくるカフェ「Exercise Cafe」

みなさん、こんにちはsign01
みんくるプロデュースのスタッフ、じもくんですsun
9月21日に第19回みんくるカフェが開催されました。

今回の企画は「Exercise Cafe」sportsnotes

エキササイズ体験として身体を動かして感じてもらいながら、運動と健康の関係について
みんなで学び考えていく企画です。
講師はピラティスインストラクター&家庭支援実践者の鈴木佳奈子さんにお願いしましたshine

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「健康にいい運動ってどんな運動?」
「忙しい毎日の中で効果的な運動を取り入れるためには?」

そんな日頃の疑問を解決するヒントが見つかるかもsign02
対話とエキササイズの融合というチャレンジに、参加者のみなさんで取り組みましたconfident

場所はみんくるカフェでおなじみとなってきた、東京大学の福武ラーニングスタジオ!
コンクリート打ち放しとガラス張りの壁がおしゃれで好評です☆
参加者は、医療者、会社員、自営業、主婦の方から学生さんまで17名。
今回も幅広くお集まりいただきましたflair


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オープニングは「なりたい私」「あこがれの私」について書いてみようsign01
…ということで、みなさんああでもないこうでもないと悩みながら紙と向き合いますsweat01
講師の鈴木さんは「痩せたい!」と直球勝負でした(笑)
書き終わったら6つのグループに分かれ、それぞれでお互いの書いたものや考えを発表しました。
自分自身の明確なイメージを持ってもらうところからスタートですshine


と、ここで「スタンドアップ!」と講師の鈴木さんの掛け声!
さっそくウォーミングアップのエキササイズに取り組んでいきましょうupup

まずは姿勢からということで、立った姿勢での背骨の曲がり具合、骨盤の位置など
参加者同士で姿勢をモニタリングしますeye
まだチェックしないそばから「私、歪んでるんです!」と自己申告されていた方もいました(笑)


ではでは、ピラティスの考え方にのっとって、日常に取り入れやすいエキササイズを2つ提案ですscissors

oneつ目は、基本の動きである骨盤の運動。一言でいうと「骨盤を前後に動かす、傾ける」
ということですが、言葉だとチンプンカンプンかもsign02
私の感覚的には、身体を丸めておへそを引っ込めた状態から、胸を張るようにして身体を起こす、
といったら何となく理解しやすいような…(分かりにくかったらスミマセン)。

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twoつ目は、肩をすくめてストンと落とす動きですupdown
息を大きく吸いながら肩をすくめ、吐きながら肩を落とします☆

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この2つの運動がそれぞれ、腰痛予防、肩こりの解消に効果があるそうです。
日頃悩んでいる方はぜひお試しをsign03


さて、運動をして身体が温まったところで(骨盤まわりがポカポカしてます)、
“書いてみよう その2”ですpencil
健康のために「今していること」「やってみて上手くいかなかったこと」「今後したいこと」、
そして改めて「あこがれの私」について考えていただきましたnotes
自分の言葉でまとめられたら、次は先ほどのグループ内でお互いの意見交換ですhappy01
“上手くいかなかった”例では、「健康雑誌を衝動買いするも1度も開かずにおわる...」が
共感と笑いを誘っていました(笑)

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clip2人1組で肩甲骨を動かすペアエキササイズをはさみ、各グループのまとめです。

"していること"としては
「エレベーターではなく階段を使う」
など生活に組み込めているものが多かったですhouse

上手くいかなかったことはやはり
「運動が続かない...」ということでしたtyphoon

そしてそれに対し皆さん自身の答えとして、
「楽しく続けられるものを選ぶ」
「仲間をみつける」
「記録をつける」
「目標を明確に」
「やります宣言をする」

などを続けるためのコツを挙げられていましたshine

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今回行なった
「していること」「うまくいかなかったこと」「やりたいこと」「あこがれの私」
の4つに分類して整理することも効果的ですねflair
私個人的には「何から手をつけようか」と迷うタイプなのですが、分類することで単純に
まずこれから取り組もうというのが見えてくる気がしますhappy01

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それではエキササイズの方も、佳境に入りますsign01
最後はポージングエキササイズshine

cute壁に背をつけて、両足を軽く前に出します。
cute背中を壁に密着させるようにしていきます(なるべく隙間がないように)。
cute壁によりかかった同じ姿勢から、頭側を少しずつ前に倒していきます。
cuteそこで手をブラブラさせたり円を描いてみます。
cute背骨が1つずつ壁につくように、丸い背中を意識しながら身体をゆっくり起こしていきます。

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以上、この壁のエキササイズは、学校や会社の休み時間にも有効活用できます!
ぜひやってみてくださいsun


「運動と健康」について話すに当たって、実際に身体を動かす場をつくろう!と始まった今企画clip
対話もエキササイズも盛り上がって終了となりましたnotes
今後のアクションを起こすきっかけになればと、スタッフ一同、参加されたみなさんの
良い報告をお待ちしていますsign03
(自分たちもがんばります!笑)


今後もみんくるカフェでは、医療、健康に関する様々なトピックを取り扱っていきますので、
ご興味のある方は、是非是非ご参加ください。お待ちしております。

clip今回のみんくるカフェの実況tweetsまとめはこちら:http://togetter.com/li/379787

cherry次回の開催は→http://www.mincle-produce.net/upcoming-events/

講師の鈴木さん、ご参加下さったみなさま、ありがとうございました!

(じもくん)

 


 

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アンケートより: ご参加くださった方の気づきや感想

clip 印象に残ったことや新たな気づき:

●ちょっとした意識、ほんの少しの毎日の行動の変化で人は変われる、という可能性に
希望を抱きました。
●意識して立つ、だけでもいろんなことが変わってくるかもしれないということ。
●体を意識すること。無意識の癖や緊張を解くと、体が本来持っている力や美しさが
発揮されることを教えていただきました。
●気持ちの良い運動は、心も身体も元気にするということを実感できたエクササイズでした。
歩くだけでなく、プラスαの運動をしてみようと思います。


clip 今後のお仕事や活動にどのような影響を与えそうか?との問いには:

●今回教わったことは、特定保健指導時の運動に対する動機づけや目標設定に、大いに
役立ちそうです。
●最近、自分自身で新たに取り入れた習慣を続けていけるか不安もあったのですが、少し
勇気づけられました!
●ちょっとした合間にも自分の体に意識を向けてあげると、リフレッシュできたりしそうです。
●みんな、運動は身体にいいことはわかっているけど、実践しているひとはやはり多くない。
情報の伝え方の一つの工夫として、このようなワークショップを応用したこともあるのでは
ないかと感じました。


アンケートに御協力いただいた皆さん、ありがとうございましたgood

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